カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「真実はネットの中にある」①

「オマエら馬鹿? こんなこともわからんのか?」
 そんな調子の文章、昔のネットにはかなりあったと思うのですが最近は見かけなくなりました。拾い上げられて素人のサイトやブログが大炎上、ということが少なからずあったからかもしれません。またサイト運営者やブロガーが賢くなったということもあるのでしょう。
 もちろん私もそうした言い方はしませんしそもそも心に思ったりもしませんが、時折、自分にとっては至極当然なことを、周囲の誰も言わなかったり考えていないように見えたりすると本当に当惑します。なぜ誰も同じことを言ってくれないのだろう?
 例えばドナルド・トランプの評価です。

【マス・メディアは真実を語らない】

「トランプは深謀遠慮や計略のあるような人ではない。見た通りの人。息をするようにウソをつき、重戦車のように踏み潰す、噛みつかれたら倍返し、自己中心的で言いたいことは言うが聞かれたことには答えない、それだけの人」
 それが私の見立てです。そんなことは当たり前だと思っています。 だから1年近く前からこのブログで問い直し(2016/3/30「トランプ・マジックの話」他)、怯え(2016/5/10「現在のところ可能性は極めて低いのですが・・・」他)、うろたえてきた(2016/11/9「アメリカ大統領選挙の憂鬱」2〜子どもに説明できない 、他)のです。

 しかしその間日本のマスメディアは「トランプが共和党候補になるはずがない」→「本選挙で勝つはずがない」→「トランプもヒラリーよりはましだ」→「大統領になれば現実的な政策をとるに違いない」と終始楽観的でした。
 そして目下の流れは、
トランプ大統領は政治経験がないので事態が分かっていない。事実を理解すればきっとわかってくれるはずだ」
「トランプは有能なビジネスマンだからバランス・シートを示し、きちんと損得を計算させれば必ず妥当な線で落ち着くはずだ」
 しかしそもそも彼が有能なビジネスマンだったかどうかさえ分からない。金持ちは確かかもしれないしトランプタワーも立派かもしれない。でも我が国の指定暴力団の組長自宅だって立派です。やり口もそっくりです。
 ビジネスはgive & takeが基本ですが、暴力団は脅して収奪するだけ。今日までの様子を見る限り、トランプが何かを差し出した様子はありません。奪おうとするだけです。

【あれはヤクザのやり方だ】

 私は「不当要求防止責任者講習」修了者という一種の資格を持っています。なぜそんな資格を持つことになったかということについては以前書きましたが(2005/7/8「暴力団と勝負をしよう!」~とういう講習を受けてきました・・・2014/2/4「矢面に立つ」~教師が一人でチンピラや暴力団と渡り合うとき )、その講習の中で、暴力団と対抗する際のいくつかの注意事項を学びました。
 いくつか拾い上げると、
「毅然として引かない」「筋を通す」「対応には脅迫者より多い人数であたる」「最高の意思決定者が出て行って言質を取られると動きが取れなくなるので、その機関のトップを出さない。NO2位かで対応する」
 すると暴力団の方はこれと逆のことをすればいいのです。
「『毅然として筋を通し引かない』タイプの人間を相手にしない」→ツイッターで言い放ち記者会見でも質問や非難を受け付けない。
「相手の人数を自分と同数、もしくは少なく絞る」「その機構のトップを出させる」→外交は二国間協議のみで同時に多数を相手にしない。できるだけ記者会見もしない。いきなり各国首長に電話会談を申し込んで1対1で言質を取ろうとする。
 ほら、まるっきり暴力団と一緒じゃないですか。
 しかし今日まで、テレビや新聞の中でトランプ流を“やくざなやり方だ”と言った“識者”“専門家”は1人もいません。少なくとも私の耳には届いてこない。
 有能なビジネスマンだから“話せばわかる”と思っているようなのです。

 

【真実はネットの中にこそある】

 誰も賛同してくれないので先日、たまたま孫と一緒に帰省していた娘のシーナにボヤいたら、一刀両断、こんな答えが返ってきました。
「なに言ってるのよ、お父さん。ネットの中じゃずっと前からトランプはバカだってことになってるわよ。ツイッターでウケを狙っているうちに大統領になっちゃったって。それネットの世界の常識!」

 え?

(この稿、続く)