カイト・カフェ

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「私には世界が分からない」〜ニュース番組の“専門家”たちの言うことが理解できなくなってきた

 明日からゴールデンウィーク後半、5連休になります。サンデー毎日な私も一応世間に合わせて、ブログを5連休にして休み気分を満喫したいと思います。

 というのは最近、テレビや新聞を見ていて気持ちを揺すぶられるようなニュースが山ほどあるのに、そのほとんどが理解できなくなっているからです。少し休んで頭を整理し、もう一度世の動向を見直すしかありません。本当に頭が疲れています。

トランプ大統領ビジネスマン問題】

 何が分からないかというと、例えばアメリカや北朝鮮を扱うニュースの中に出てくる「トランプ大統領は政治家というよりは今でもビジネスマンですから」とか「ビジネスマンとしての成功体験が・・・」とかいった言い方です。

 たしかに彼が不動産取引で財を成し、現在もたいへんな資産家であることは知っています。しかし彼の不動産業者としての事業内容は、いまだに謎です(資産公開していませんから)。

 ハッタリとゴマかし、高飛車と恫喝、他人に対する異様な持ち上げと容赦ないこき下ろし――それで成功する取引もありますが、だからと言って有能なビジネスマンというわけにはいかないでしょう。今のトランプ氏から想像できるのは、むしろヤクザです。けれどそれとて想像の域を出ません。

 私の知る限りドナルド・トランプという人はかつては「不動産王」と呼ばれたこともありますが結局は失敗し、しかし芸能人としての才能はあったらしく「アプレンティス」という番組で「お前はクビだ!」と叫んで復活した有能なコメディアンです。芸能界で成功したのち不動産業者としても復活しましたが、だからと言って「不動産王」とは言えません。
 日本の北島三郎さんがキタサンブラック天皇賞2連勝したからと言って「競馬王」とは言わないのと同じで(超一流の歌手ですから)、トランプ氏もあくまでもコメディアンだと思うのです。

 以上は半分戯言ですがもう半分はかなり真面目です。
 あるネット記事に「ドナルド・トランプはビートたけしと理解せよ」というのがありましたが、これが私にとっては最も有効な「ドナルド・トランプ評」で、ビートたけしだったら何をやっても許される、面白がられる、とんでもなく凄いことをやってくれるのではないかと期待される――。
 ウケることが最大の興味関心ですからやってはいけないことも平気でやる、人を驚かせることが大好き、大げさでキツイ物言いが売り物、やることが突飛であればあるほど人はついてくる――。

 記者会見でマスメディアと喧嘩をするとか、一部を出入り禁止にするとか、大統領の選挙中のありもしないオバマ盗聴疑惑について口にするとか、就任式の人出は過去最高だとか、――真面目に議論すれば絶対許せないことも、全部お笑いだと思えばなかなかツボを得た話です。
 日本だってかつて東京都知事意地悪ばあさん青島幸男を配し、大阪府知事にパンパカパーンの横山ノックをいただいたことがあったじゃないですが。

 もちろん習近平との会議の最中にシリア攻撃をしてみせるといった一石五鳥・六鳥の大技もありますが、これはトランプ氏のオリジナルではなく超プロの政治家か軍人の仕業です。それをシナリオに乗って見事に演じ切って見せるところがトランプの天賦の才なのです。

 メディアの中でしばしば行われる「トランプ氏は一流のビジネスマンだからこうするだろう」という予測はことごとく外れます。そうではなく「一流のコメディアンだから」と考えることで見えてくるものが山ほどあるのに、メディアは相変わらずトランプ大統領のビジネスマインドに信頼して訳の分からない方向に私たちを引きずって行こうとしています。

――さて、トランプ大統領だけで興奮して紙面の半分以上を使ってしまいましたので、以後、「分からないことベスト5」の箇条書きにしておきます。
 

【森友と豊洲の落としどころ】

①森友問題はあれもこれもと言っているうちに、何が問題なのか私のような老人にはさっぱり分からない話になってしまいました。
 現在考えられる最悪のケースというのは、だれが何の罪で、どう処分されるという話なのでしょうか?籠池夫妻以外に悪いことをした人が見つからないのですが――。
 もういちどじっくりと調べ直したいと思います。

豊洲問題も何が問題でどこに落ちていくのか全く分からなくなってしまいました。いまさら豊洲移転も築地再開発もないでしょ? ましてや青果だけは豊洲なんてことはありえません。
 何を決めても非難ごうごう、収まりがつかないことは目に見えてる気がするのですが――。
 メディア各社の立ち位置も分からなくなってしまいました。
 

拉致被害者北朝鮮ストリートチルドレンを救え】

③今はそれ自体が目的になってしまいましたが、もともと北朝鮮が核開発を始めたのは冷淡なアメリカを振り向かせるためでした。ではなぜアメリカは冷淡だったかというと北朝鮮独裁国家だからです。トランプ大統領出現まで、合衆国は民主主義の擁護者・保護者でした。その原点に帰れば、「核開発をやめれば金王朝を認める」などという選択肢はないはずです。

 それにもかかわらず、北朝鮮の郊外の街を、薄汚れた服装で物乞いをして歩く子供たちを救うために、何が何でも金王朝は倒さなければいけない、拉致被害者を奪還するためにも、一刻でも早い金王朝の打倒を図れ! そう叫ぶ“専門家”はひとりもいません。それが私には分からない。
 今や日本でもどのニュース番組を見ても「ミサイルが飛んできたら困る」「話し合いでの解決を」といった自国の保全の話ばかりです(ニッポン・ファースト!)。

④先日も書きましたが、アメリカが攻撃したら北朝鮮はソウルを火の海にするというのは、皆さん本気で考えている予測なのでしょうか? どんな脅しや屈辱あるいは直接的な攻撃に耐えても北朝鮮は核搭載の大陸間弾道弾完成の日まで頑張る、というのが当然の論理の帰結だと思うのですが、誰もそんなことを言いません。

 また、中国はホットラインをつかって金委員長を説得しているとか、まことしやかに言いますが、委員長に言うことをきかせる材料なんてほとんどないでしょう。もう打つ手がありませんから、私が中国だったら直接工作員を送り込むとか、北朝鮮高官をそそのかすとかして委員長を暗殺することを本気で考えます。それがもっとも落ち着きの良い結末です。
 旧ソ連スターリン批判で方向転換を図ったのと同じように、すべてを金正恩委員長のせいにして民主化の道を探ればいい、そのとき新政府の指導は中国に任せてもいいのです。

 つい2か月前だったらクーデターだとか暗殺などとても考えられない状況でしたが、アメリカとの戦争で殺されるか委員長を殺して国を救うのかといった二者択一は、今なら大いにありえるでしょう。
 しかし誰もこのことについて話しません。
 

【たった3万円・・・】

坂口杏里はたった3万円の恐喝で逮捕されちゃいましたが、そんなことってあるのでしょうか(もちろんあったのですが)。3万円で逮捕できるなら、もっと早く始末していただきたい連中がいるのですが――。
 私は杏里さんのお母さんのファンだったので、その意味でも気になっています。