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「“テカムセの呪い”とJFK就任演説」~格調高く生きたいものだ

 今日、11月8日はケネディが大統領に当選した日だそうです。(1960)

 合衆国の大統領選については、“テカムセの呪い”という伝説があり、これは「1の位にゼロのつく年に当選した大統領は任期を全うしない」というものです。実際1840年に当選してインデアンの大酋長テカムセを殺すことになるハリソンは肺炎で死去、リンカーン(1860年当選)、ガーフィールド(1880年当選)、マッキンリー(1900年当選)と3人続けて暗殺された後、、ハーディング(1920年当選)、フランクリン・ルーズベルト(1940年当選)は病死、そしてケネディ(1960年当選)です。

 1980年の大統領選はドナルド・レーガンが勝ち取りましたが、彼も“テカムセの呪い”を受け、至近距離から銃撃を.受けます。ただしレーガンは元俳優ですから死んだフリが上手かったのか奇跡的に回復し、歴史に残る大統領となって任期を全うしました。それで“呪い”は解けてしまったようです。2000年当選のブッシュ・ジュニアも、生きたまま任期を終了することができました。

 JFK(ジョン・フィッツジェラルドケネディ)が偉大な大統領かと言うと、業績としてさほど認められていません。何しろわずか3年でなく亡くなってしまったので十分な時間がなかったのです。しかしそのカリスマ性は絶大で、以後、バラク・オバマが出てくるまで「第二のケネディ」という表現は常に控えられたほどです。
 演説が上手く、人を引きつける力がありました。中でも1961年の就任演説は有名で、
「同胞であるアメリカ市民の皆さん、国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか」
は、誰しも一度は聞いたことのある言葉かと思います。

 ところでこの一文、ここだけを読むと一方的に国民の奉仕を求めているように聞こえますがそうでなく、大統領としての使命を強く意識しながら、
「世界の長い歴史の中で、自由が最大の危機に晒されているときに、それを守る役回りを与えられた世代というのは多くありません。私はこの責任を恐れず、喜んで受け入れます」
と語った後で出てきているのです。

 さらにそれに続く文はこうです。
「また同胞である世界市民の皆さん、アメリカがあなたのために何をしてくれるかではなく、人類の自由のために共に何ができるかを考えようではありませんか」

 3・11以来、私は、個人の理想を実現しようとする子どもたちと同時に、社会に貢献できる子どもたちの育成ということを本気で考えるようになっています。今回久しぶりにケネディの就任演説を読み直し、その思いを改めて深くしました。

 そうだ、ケネディのように格調高く、子どもたちに呼びかけなくては!