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「夫婦の日とJFK」~テカムセの呪い

 今日、11月22日は“夫婦の日”だそうです(1122=いいふうふ)。配偶者をお持ちの方は、今日くらい優しい気持ちになって家に帰りましょう(と、人に言うふりをして自分に言い聞かせます)。

 明日、23日は勤労感謝の日。かつては宮中では新嘗祭(にいなめさい・しんじょうさい)といって、五穀の実りを神に感謝する儀式がおこなわれるはずです。天皇の最も重要な祭祀のひとつです。
 かつて政治は天皇神との対話によって行われました。神を祭ることと政治は同じですので、今でも政治は「政(まつりごと)」と言われます。

JFK暗殺事件】

 しかし私の世代に限ると、11月23日は勤労感謝の日新嘗祭ではなく、ケネディ暗殺の日として記憶されています。1963年のこの朝、初の日米衛生放送の冒頭でケネディ大統領が祝賀の演説をする予定でした。しかしその放送で最初に流されたニュースが大統領の暗殺でした。午前4時か5時の出来事でしたが、私はリアルタイムでそれを見ていました。ケネディの名を知ったのも大統領という言葉を聞いたのもその時は初めてでしたが、何か大変なことが起こったという切迫感は、ひしひしと子ども心に伝わってきました。

 ケネディは1960年の選挙で選ばれた大統領ですが、かつてアメリカには1の位に0のつく年に選出された大統領は任期を全うしないという伝説がありました。これは1840年に選ばれたウィリアム・ハリソンが殺したインディアンの酋長の名に由来して“テカムセの呪い”と言われています。

【テカムセの呪い】

 テカムセを殺したハリソンは在職中に肺炎で亡くなり、次の1860年選出のリンカーンは暗殺、1880年のガーフィールドも1900年のマッキンリーも暗殺、1920年のハーディングと1940年のフランクリン・ルーズベルトは病死、そして1960年のケネディです。次は20年後の1980年選出のドナルド・レーガンですが、この人はジョン・ヒンクリーという男に暗殺されかかるものの無事一命を取り留めました。レーガンは元俳優ですから死んだフリをして“呪い”をかわしたのかもしれません。2000年当選のブッシュ大統領もいまだに元気です。

(ついでに)ちょうど100年の間を置いて当選したリンカーンケネディの間には、不思議な共通点と相違点があります。
 二人とも黒人の解放のために戦った大統領で、二人とも銃で背後から頭を撃たれています。
 ただしリンカーンの暗殺者ブースは劇場で暗殺を果たして倉庫で捕まったのに対し、ケネディの暗殺者オズワルドは倉庫から大統領を撃って劇場でつかまっています。暗殺者は二人とも裁判を受けることなく殺されました。そして暗殺のために繰り上がりの大統領となった副大統領は、ともにジョンソンという名の人でした。不思議ですね。

 ちなみに、うるう年とアメリカ大統領選挙夏季オリンピックは4年ごと、必ず同じ年になりますから、覚えておくと便利です。