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「子に携帯を持たせないという選択肢はないのか」~生徒指導連絡協議会報告

 昨日、生徒指導連絡協議会に出席しました。その中で中学校における携帯電話の使用についての報告がありましたが、今やこの世界の危険もハンパではなくなってきています。

 以前、携帯電話の7人向こうには10億人の人間がいるというお話をしました(ひとりが20人にメールを送るネズミ算では7代先で12億8000万人になってしまいます)。しかし現在では2代先に危険な人物がいます。援交の常習者が「友だちを紹介して・・・」という形でメールを寄せてくるからです。

 メールのやり取りもある程度のレベルを越えると依存症的な様相を呈してきます。朝起きての「おはよ」から始まって家を出るまで間に15回発信となると、家族との対話より多くなります。一日100回以上の発信となると、授業中ですら我慢することが難しくなります。

 車の中で、運転者以外の家族全員がそれぞれメールを打ち続けている・・・目の前に家族というネットワークがありながら、それぞれが外部のネットワークと別々に繋がっている・・・それを異常ともなんとも思わない人々がどんどん増えてきているのです。

 昨日の協議会では「生徒と保護者のメディアリテラシーをどう高め・・・」といった議論がされましたが、「携帯とどう付き合うかよりも、そもそも義務教育の間は買わなきゃいいじゃん!」というのは話題になりませんでした。中学校に入るころには、相当の人数が入学記念に買ってもらってくるのだそうです。

 不審者に対する心配から携帯を持たせるのは、指先の痛みに耐え切れずに腕を切り落とすようなものです。外部のネットワークに子どもを差し出し、家族の会話を根こそぎ奪われ、結局、使いすぎだの、勉強にさしつかえるだのの家族紛争を巻き起こし、さらに通信料で万単位のお金を支払わされる。こんな馬鹿な道具を子どもに渡す親の気が知れません。せめて義務教育の間は買わない、すでに買ってしまった家では中学進学とともにやめる(「今まではね、あなたが子どもで危険に対処できないから持たせていたの。もう、ひとりでも大丈夫でしょ?」)。今のうちから呼びかけておきたいことです。