カイト・カフェ

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「意外なペット・ロスと巨大ウサギ、ウサギ・カフェはどうだろう?」~ペットのウサギを亡くして4か月

 ミニウサギのミースケが死んで4か月。
 意外なペット・ロスに少し心が揺らぐ。
 上野動物園のウサギ舎に行き、ウサギ・カフェのことを考え――、
 しかし何かとうまくいかない。
という話。(写真:SuperT)

【意外なペット・ロスと巨大ウサギ】

 ペット・ウサギのミースケが死んで4カ月が経ちました。
 もともと生き物なんか好きではありませんし、ほぼ同時に飼い始めた三羽のウサギは娘や妻に押し付けられたもので、それなりに世話は十分しましたがこれといった愛着もなく、死んだら死んだで(少しぐらいは寂しい気持ちはするかもしれないけど)意外とあっさりと乗り越えられるのではないかと思っていました。
 大筋は予想通りでした。ところがその後、一週間に一度か十日に一度くらいの割合で胸の奥に疼痛が走る、無性にミースケたちに会いたくなる、そんなことが続いています。我ながら驚くべきペット・ロスです。
 
 そんな痛みを抱えたまま、所要があって出かけた東京では娘のシーナと二人の孫を連れて上野動物園に行くことになり、何となくかわいい小動物は避けて爬虫類だの猛禽類だの「可愛くない系」を見て回ったのですが、そのうち孫2号のイーツが「ジジにウサギを見せてあげたい」とか言い出して断り切れず、園のはずれのウサギ舎まで見に行くことになりました。2号と違って孫1号のハーヴも、私度と同じく何となく気乗りしない感じでしたが、これは「ジジの前では絶対にウサギの話をしてはいけない」と思い込んで耐えていたことと関係がありそうです。
 
 私はミニウサギのミースケ(本名はミルク)やココア、ネザーランド・ドワーフのカフェ、あるいは名前をよく知らない垂れ耳ウサギやブチのウサギを思い描きながらウサギ舎に向かったのですが、そこにいたのは日本白色種(Japanese White Rabbit)一種類だけ。これが小型犬ほどの大きさで、頭のサイズだけでも隣りのケージのモルモットと同じくらいあるのです。
 私はすっかりビビって、ロスがアメリカ西海岸あたりまで吹っ飛んで行った感じでした。

【ウサギ・カフェはどうだろう?】

 それからしばらく胸の疼痛は小さなままだったのですが、ここにきて再び急に高まってきて、ひとまずウサギ・カフェか何かで癒した方がいいと考え、近くにそういうお店はないか検索してみました。
 私の住む田舎中核都市の名前を入れ、「◯◯市 ウサギ カフェ」で検索をかけると・・・田舎って嫌ですよね。出てきたのはウサギと遊ぶおしゃれなカフェではなく、ウサギ肉の食べられるジビエ料理専門のレストランでした。
 方向が真逆。どうやらウサギと遊べるカフェというのは都会にしかないようなのです。
 
 いつか行くことも考えてさらに調べると、私の想像していたものとはだいぶ違っていて、「ウサギ・カフェ」の「カフェ」はカフェとして飲食を楽しみ、「ウサギ」は別料金300円ほどを支払って別室で10分程度触れ合うのみ。ウサギはあごやお腹を触られるのが嫌い(だそうです)なので、おやつの餌で釣って膝上に誘導し、背中を撫でるくらいであとは何もできないようなのです。それは私がしたいこととはだいぶ違う――。

【ふれあいを喜ぶ動物ではない】

 考えてみると犬や猫は動物界の捕食者ですから他の生き物をあまり恐れない、いざとなれば本気で戦う腹積もりもある。だから平気で人に抱かれる、触れ合える、カフェにも馴染む。
 しかしウサギは基本的に食べられる側ですから他の動物(例えば人間)に触られるなんて、たぶんまっぴらなのです。変に触られるとすぐにノイローゼになって食べるのをやめてしまう。思えば学校に連れて行ったときのカフェがそうでした。
 ミースケが私たちの足をつついて餌をねだったり平気で抱かれたりしたのは、11年という一緒に位した歳月と、個体としての固有の性格のおかげだったに違いありません。ウサギと触れ合うなんてそう簡単なことではないのです。

 少し考えて調べてみましょう。上野はダメでしたがどこかにはウサギと触れあえる動物園と、人間と触れ合うことに慣れたウサギもいるのかもしれません。