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「先生たちはゴールデンウィークが嫌い」~学校の祭日事情・休息のゴールデン・ゴール!

 世の中の大半の人たちとは違って、
 先生たちは必ずしも大型連休が好きなわけではない。
 しかしなくてもいいわけでもない。
 3月よりずっと続いてきた超多忙の、そこが初めての休憩点だからだ。
 という話。
(写真:フォトAC)

【先生たちはゴールデンウィークが嫌い】

 嫌いというのは言い過ぎかもしれませんが、世間の人々が心待ちにするほどには4月~5月の大型連休を楽しみにしている人はいません。この時期に家族旅行を計画する人も少ないでしょう。
 学校には何といっても夏休み・冬休みがあって、長期休業といっても暇ではないといっても年休は取り易く、どこに行っても大混雑の大型連休にわざわざ旅行に出ることもないのです。それよりも、身体を休ませたい。
 
 4月いっぱいはとにかく慌ただしく忙しい。学校は新しい人員構成で新学期が始まったかと思ったら最初の数日は会議、会議、会議。その隙間に教室準備をして新学期が始まると、
 入学式・始業式、1年生のオリエンテーション。新入生を迎える会、児童・生徒総会、春の遠足。参観日・PTA総会、場合によっては先生たちの歓送迎会、家庭訪問。身体測定査(視力・聴力検査、エックス線撮影)・健康診断(内科・眼科・耳鼻咽喉科・歯科)、第一回避難訓練、第一回交通安全教室、部活見学会・入部希望提出、部活の大会参加準備。そして重荷になっているのが全国学力学習状況調査。
 それが終わってふと気づくと大型連休は目の前。これでは旅行計画など立てている暇がありません。とりあえずそこまで走り切って連休になだれ込む。
 休息のゴールデン・ゴール!
というわけです。その辺りは新人として企業や官公庁などに就職した若者も同じなのでしょう。

【連休明けに日焼けして出てくる先生も実は優雅じゃない】

 もっともすべて先生が大型連休を休息に使えるわけではありません。
 田舎には現在でも田畑・土地・家屋があるから都会に出られなかった(呼び戻された)という長男坊教師が意外と多いものです。この場合、疲れ切った教員とはいえ農繁期の有力な労働力ですから田畑に駆り出されるのは当たり前。
 地域によって田んぼだったり畑だったりあるいは果樹だったりと、だいぶ様子は違いますが大型連休と農繁期がずれている例はほとんどありません。連休明け、すっかり日焼けしてセブだのパラオだのの雰囲気を漂わせる先生がいても、たいていは田畑でじっくり焼けてきた人ですから安易に「インドネシア?」などと訊いてはいけません。拗ねてしまうかもしれないからです。

【明けると1年生がすっかり変わってしまう】

 小学校1年生の担任の中には大型連休を目の敵にしている人もいます。
「せっかく躾けて1カ月も続いたというのに、大型連休ですっかり忘れて最初からやり直し!」
というのがこの人たちの言い分です。
 確かにそういう面はあるにしても、子どもから見るととにかく新しいこと尽くめで1か月間がんばってきたのです、大型連休で気を抜いたらそのまま戻れなくなってしまう子がいても少しは許容してあげましょう。教師の方は、そこからもう一度立て直すよう、心構えをしっかりしなおします。

 中学校1年生にとっても休息のとき。しかしそろそろ「どうやら中学校でもやっていけそうだな」と余裕が出てきて、先輩(必ずしも良い先輩とは限らない)からの声もかかってくる時期です。先生たちの気合も入れ直しになります。

【連休明けが夏休みまで、異常に長い】

 大型連休が終わると次の祝日は2か月後の海の日(7月17日)と3か月後の山の日(8月11日)。学校にとっては両方とも夏休み中のこととなりますから気分的には5月5日の子どもの日が1学期最後の祝日です。そのあとが長い。「のび太の嫌いな6月(祝日がないので)」が特に長い――。

 続く2学期も長いとはいえ、敬老の日(9月18日)、秋分の日(9月23日)、スポーツの日(10月9日)、文化の日(11月3日)、勤労感謝の日(11月23日)と程よく祭日がばらまかれているので楽なのですが、1学期は大型連休明けがほんとうに長く感じられます。
 したがって夏休み初日は、1学期で2度目の「倒れ込み」になるのが普通です。
 休息のゴールデン・ゴール!