「夏休みがなくなれば、みんなが幸せ」~この時期に夏休みのあり方を考えた2 

学校の夏休みをなくしてしまえという話
さほど荒唐無稽なものでもないと思う
なにしろ とにかくメリットが多い
児童・生徒、保護者、学校の三者に利点がある。
一度考えてみよう

というお話。

f:id:kite-cafe:20190827073320j:plain(「ひまわりと夏の空」phtoAC より )

 昨日は「夏休みをなくしてしまえ」と暴言のように言いましたが、これも案外真面目な話で、真剣に検討している価値のあることかもしれません。
 児童生徒と保護者・教員のすべてにメリットがあるかもしれないからです。
 
 

 【子どものメリット】

 昨日の話をすこし補足すれば、夏も授業を行うことによって授業時数を大幅に増やし、増えた時間で「練習」ができるのです。
 具体的に言えば、例えば算数では「分かる」「できる」「すらすらできる」というようなことを言いますが、現状では「分かる」「できる」までは学校の責任で行えますが、「すらすらできる」まではなかなか持って行けません。計算練習の時間がないからです。それを家庭学習に任せるから差が広がります。

 理科や社会科でも実験や調査によって事象を理解し、一部応用させるところまではできるものの、さまざまな機会に当てはめる――テスト問題のような形で出されてすぐに解ける――までに高めることはできません。授業中に問題集を解いたり再検討したりといったことができないからです。
 英語の時間中に単語練習などやったことのある人、いないでしょ?
 授業時数が増えればそういうことも可能です。

 私が子どもだったころ、つまり土曜授業があって休日も少なく、総合的な学習の時間や外国語教育といった追加教育のほとんどなかった時代は、実際に授業中に計算練習などを山ほどさせられたのです。

 それが子どもにとってのメリットです。
 学力を伸ばしてあげられるのですから教師の側にも満足感が残ります。
 
 

【親の側のメリット】

 夏休みがなくなることの親のメリットは――これはもういくらでも上げられます。
・ 学期中と同じ生活ができる。
・ 子どもの日中の生活を考えずに済む。
・ 子どもを預かってもらうところを探さないで済む。
・ 弁当を作らないで済む。
・ 家の電気代(エアコン)が抑えられる。
・ 火の始末等心配しないで済む。
・ 仲間とつるんで悪いことをしているのではないかと心配しないで済む。
熱中症になっているのではないかと心配しないで済む。
・ ゲーム漬けになってはいないかと心配しないで済む。
等々。
 
 

【教師側のメリット】

 教師にとって一番のメリットは、一般のサラリーマンと同じ働き方をすることで教員の労働状況が如何に不合理であるかが浮き彫りになることです。

 教職が過酷だという話はずいぶん知れ渡ってきましたが、それでも、
「長期休業があるからいいじゃないか」
「子ども相手だから楽な仕事だ」
という二つの誤解は解けていません。だとしたらせめて一方、「長期休業があるからいいじゃないか」くらいは封じ込めておかないと実態は見えてきません。

 普通のサラリーマンと同じ日数、同じように働くから同じような待遇を与えよ、というのは筋の通った話です。
 その上で、土日も休まず出勤している様子を見せたり、残業手当の代わり出される教職調整手当が時間外労働時間で割ると時給160円(1万2800円÷80時間)くらいになってしまう情けない状況を知ってもらえばいいのです。
 それで多少は考えてくれるかもしれません。
 
 

【ところで】

 子どもの自殺が夏休み明けに集中しているということで、地域によっては臨戦態勢で、電話相談を24時間対応にしたり、相談のLINE登録を呼びかけたりと、さまざまな対策を打っています。

 たしかに、長期休業の明けは誰にとっても気の重いものです。
 不登校に関してかつて「ゆっくり休んでエネルギーを溜め、そこから再出発させる」という方法が推奨されたことがありましたが、多くの子ども(と先生)は、普段、惰性で学校に来ているのです。
“ゆっくり休んでしまったら登校しにくくなるのは当たり前じゃないか、そんなこと夏休み明けの子どもの様子を見れば一目瞭然じゃないか”
とずっと思っていました。

 そもそも人間が“ロボットのようにエネルギーを充填して動いている”という考え方自体も理解できないのですが、休み明け、心理的な基礎にそうした憂鬱があれば、ちょっとしたできごとも自殺の契機になってしまうのかもしれません。

 夏休みがなくなればそうした心配も半減します。一学期からの連続ですから、自殺や不登校の心配もずっと少なくなるでしょう。
(ついでに言えば、中一ギャップをなくす一番簡単な方法は、小中一貫校を増やすことです)

 ディメリットとしては――これも繰り返しですが、家族旅行の激減(観光業への打撃)とお盆の帰省ラッシュの過酷化くらいなものです。
 どうです? 試してみる学校・自治体はありませんか?