カイト・カフェ

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「令和がどんな時代になるのか見えてきた」~平成の終わりから、世界のあり方が変わってきて

 日本の元号が変わると、もしかしたら世界全体も変わってしまうのかもしれない。
 その予兆は改元の数年前から現れている、
 明治も、大正も、昭和・平成もそうだったように。
 そして令和は新型コロナとウクライナ侵略が象徴することになるに違いない。

という話。

f:id:kite-cafe:20220411064146j:plain(写真:フォトAC)


改元は世界を動かすのかもしれない】

 元号というのは現在では日本独自の文化で、日本国内にとっては意味あるものの、世界的に見ればそれが変わったからと言って何かが変化するわけではなく、世界時計は元号とかかわりなく動き続けます――そのはずです。
 しかし、おそらく偶然なのでしょうが、歴史年表の字面を見ていると、何となく改元が世界史に影響を与えているのではないかと思えてくることがあります。

 例えば、日本で江戸幕府滅亡という大転換が起こった年(1867年)、ドイツではカール・マルクスが「資本論」の第一巻を刊行しています。日本の大変革と、のちに世界に大変革を起こす書物の出版が同じ年なのです。

 その1867年に始まった明治という時代は、一面で日本にとってとても分かりやすい時代でした。国家目標が実に明快、「欧米に追い付け、追い越せ」ただそれだけ。しかも「追いついく」の意味は具体的に見えていました。不平等条約の改正、これ一本です。
 日米修好通商条約は日本が「遅れた国」と認定されたから不平等になったわけで、欧米に追い付けば当然改正されるべきものです。それが1911年(明治44)に達成されると、明治天皇はまるで「明治はもう終わってもいい」と思い定めたように崩御され、大正時代に移ります。

 次の15年間は「自由と民主主義の時代」でした。
 大正とともに第一次護憲運動(大正2)が始まり、普通選挙法(大正14)の成立とともに終わったのです。もしかしたら高天原で歴史の脚本を書いている神々が実在するのではないかと疑いたくなるくらいです。
 普通選挙法の成立した大正14年は、悪名高き治安維持法のできた年でもありました。始まる前から。昭和の匂いも漂っていました。

 大正天皇は15年(1926年)の12月25日に崩御され、その日から新元号が始まりましたから昭和元年はわずか7日間だけです(ちなみに最後の年である昭和64年もちょうど一週間だけでした)。昭和は実質的に2年から始まったようなものですが、その年に金融恐慌が起こり、暗黒の昭和史前期三分の一が始まったのです。
 ついでに言えば昭和2年はリンドバーグが大西洋を横断した年で、アメリカが第一次世界大戦の戦後バブルの最高点に達した年でもあります。世界恐慌の1929年(昭和4)は目前です。

 昭和20年の敗戦を経て、日本は再び「欧米に追い付け追い越せ」を始め、昭和60年を過ぎてついに世界の頂点に立ちます。バブル経済です。昭和天皇も時代の目標を達したと見越したかのように64年に亡くなり、平成が始まります。そして平成の2年目にバブル崩壊が始まり、時代の色合いがはっきりと見えてきます。「失われた10年(20年)」と言われる長い不況への突入です。
 ちなみに平成元年は西暦で1989年。ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終わった年です。世界史も大きな変化を遂げ始めたのです。ソビエト連邦の崩壊は1991年、平成3年のことでした。


【令和はどんな時代になると予告されたか】

 令和の始まりはそれまでの改元と異なり、平成天皇の退位に伴い、予め予告されたものでした。日本もようやく長期不況から脱却して、改めに落ち着いた歩みを始めていました。 しかしそれで平和が訪れたわけではありません。私は令和の始まる前年(平成30年)の最後のブログで、こんなふうに書きました。
 つい数年前まで、世界は緩やかな安定に向かい、私の子や孫や教え子たちの生きる21世紀中後半は、派手さも華やかさもないものの、落ち着いた静かな、平和に満ちた時代になるだろうと安心しきっていたのです。
 それがロシアのクリミア侵攻や中国の南シナ海進出によって、まるで19世紀のような領土・領海獲得競争が始まり、トランプ大統領の出現によってアメリカまでもが野心満々の独裁国家の様相を呈してきたのです。
 中東情勢は泥沼で、EUは崩壊に向かい始めます。

 ただしアジアに限って言えば悪くない話もあって、東アジアの喉にひかかったトゲである北朝鮮はそろそろじり貧で、2018年度中には金王朝も滅び、多少の混乱はあるものの全体としては、世界がアジア中心の時代に入ると思われたのです。
 まさかドナルド・トランプが中途半端に金正恩と手を結び、王朝の延命に手を貸すとは思いもよりませんでした。
 韓国に文在寅政権が生まれてそうとう北寄りになるだろうとは思ったもののここまですり寄ることは考えもせず、今や私は韓国が本気で「中ロを後ろ盾とした、金正恩の統べる統一核保有国」を目指しているのではないかと疑い始めています。
 米韓関係、日韓関係がここまで悪くなるとは全く想像していなかったのです。

 ヨーロッパではメルケルマクロンもメイも、自国に山積する問題で手いっぱいで、世界に関与する余裕など微塵もありません。
 米中貿易戦争は地球全体に重苦しい網をかけています。
(中略)
 もちろん年号が変わると同時に一気に何もかも変わるというのではなく、その2~3年前から予兆があり、新時代になっても2~3年の間は旧時代を引きずる面があります。昭和の匂いのする治安維持法が大正時代につくられ、バブル経済が昭和と平成をまたいだように、新時代の訪れる前にその香りは漂ってくるのです。

 つまり、今起こっていること――大国が領土的野心をむき出しにしてお互いに争い、EUやTPPのように統合を目指したものが音を立てて崩れ、逆に一緒になってはならない者たちが集まり始める、それが来年から始まる“新時代”の基本的潮流なのかもしれないのです。
 皆様、心して子を育てましょう。

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 さらに遡って前年の2017年12月の最後の記載はこんなふうでした。
 今回は初のケースですが「平成」が31年で終了することが決まっています。つまり今年は「平成最後の3年間」の始まりの年だということになります。
 今年から再来年にかけてのできごとは、平成を終了するものと同時に新時代の方向性を示すものなのかもしれません。

 そう考えると、例えば先ごろ決定したイージス・アショアの導入――。設置完了まで5年ほどかかるそうですが何か嫌な感じはしません?
 もっとも第2回東京オリンピックは新しい年号の2年目ですから、新時代は平和で調和の取れた明るい時代になるという可能性もないわけではありません。

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 やはり1年遡ると予測の精度は落ちるものです。ご承知の通りイージス・アショアの導入は見送られ、平成2年の7月に東京オリンピックは行われませんでした。もっとも東京オリンピックが遅れて開催されたように、高級な迎撃ミサイルの導入はこれから改めてのことなのかもしれませんが。

 

【まとめ:令和はこうなる】

 さて、令和の行く末を占う平成の最後の数年と令和の最初の数年が過ぎました。この6~7年の世界のあり方が令和時代のあり方そのものだと考えると、令和はグローバリズムが終わって世界がさまざまに分断され、大国が欲望をむき出しにして争う時代だということになります。
 コロナ禍の2年を通して、私たちは国と国とが縮こまった形で生きていくことに慣れてしまいました。多少のリスクはあっても可能性を信じ果敢に外国に入り込んでいく時代は終わって、それでも何とかやっていけると思い始めています。
 多くの企業がロシアから手を引いたように、これから新型コロナの猛威に曝される中国からも、企業や人が一斉に引き上げてくるといったこともあり得ないわけではありません。北朝鮮もそろそろ焦れてくる時期です。バカでかい北朝鮮のようになってしまうロシアは、これからの時代をどう生きていくのでしょう。
 そして私は、今や自分の子や孫のことを本気で心配し始めています。世界や日本のことを考えるより自分の家族――これもひとつの変化です。