長かった2学期が終わります。先生方、ご苦労様でした。
学校を去ってだいぶ経ちますので、具体的なあれこれやその時の雰囲気といったものもだいぶ思い出せなくなっていますが、終業式の日、子どもたちを帰宅させて教室に戻り、やり残したことはないかと全体を見回すときの静寂と安堵は、確かな体の感覚として今も蘇らせることができます。
これから1〜2時間、教卓や職員室の机の周辺を整理して、忘年会の会場へ向かう交通手段を算段しながら2学期全体を振り返ってほっと一息つく。
いい時間でした。
もちろんその日のうちに何らかの問題が発生する確率はゼロではないのですが――。
【2017年のできごと】
2学期の終わりは1年の終わりです。
年度を中心に回る学校にとって「一年の振り返り」というのはちょっとなじまないのですが、それでも思いを巡らせると、今年もやはりたくさんのことがありました。
野際陽子さんと小林麻央さんが亡くなり、浅田真央さんが引退しました。宮里藍さんも引退し、安室奈美恵さんが引退することを決めました。
SMAPがバラバラになり、清水富美加さんやも堀北真希さんもいなくなりました。日馬富士が暴力事件を起こして角界を去り、さまざまな噂で相撲界自体もボロボロになりました。
トランプ大統領が誕生し、ソニーの新型aiboが生まれ、史上最年少の中学生プロ棋士が出現しました。
大リーガー大谷翔平が誕生し、上野にシャンシャンが生まれました。
9秒98の新記録も生まれた。
豊田真由子議員が全国の禿頭男性を敵に回して奮闘しました。モリカケ問題と豊洲問題はずいぶん長引きました。
衆議院選で一時は過半数割れと言われた自公政権が圧勝し、「希望の党」は彗星のごとく現れたかと思ったらあっという間に消えた(印象)。
小池百合子人気はリフテッド軌道でした。
北朝鮮のミサイルがガンガン打ちあがって「Jアラート」が鳴り響きました。 金正男氏が白昼堂々と空港で暗殺されました。けれど国際社会は何もできなかった――。
米国ラスベガスで乱射事件があり(死傷者500名以上)、日本では座間市で9人をバラバラにするという猟奇的な事件が起こりました(現実が想像を軽々と飛び越えてしまった)。
九州北部豪雨をはじめとする水害が多かった。
姉弟のように顔の似た二人、ブルゾンちえみと清宮幸太郎が目立った。
天皇退位法案が可決して平成の終わりが視野に入った。
(斜体は、私が特に興味を感じたもの)
ほんとうにいろいろあった一年でした。
もちろん何もない平和な年なんてあるはずはないのですが、世界の最強国アメリカにトランプ政権が誕生したことや、北朝鮮が核保有の一歩手前まで来たことなどは、世界や歴史を変える大きな事件の前触れかもしれません。
【予感――“時代の終わり”が始まる】
私は社会科の教師で、中でも日本史が専門でした。さらに近現代史が得意の範疇で、長年、明治・大正・昭和・平成と勉強してきました。ところがあるころから、年号が変わることには単に名前が変わること以上の意味があるのではないかと思うようになったのです。
年号が変わると時代そのものがまったく違ったものになってしまうのです。
kite-cafe.hatenablog.com しかも前の年号の最後の2〜3年は新時代を予感させ、新しい年号の最初の2〜3年は前時代を引きずるといった感じになります。
例えば明治時代の最重要テーマである条約改正の、最後の交渉(関税自主権の回復)は、明治43年に始まっています。いわば明治の「終わりの始まり」が43年だったわけです。
大正は第一次護憲運動(大正2)に始まり、普通選挙法(大正14)で役割を終えます。その大正14年は、悪名高き治安維持法のできた年でもあります。
昭和の匂いがするでしょ?
昭和2年、金融恐慌が起きて大正のノホホンとした雰囲気は一気に吹き飛ばされ、一朝にして昭和らしくなります。
昭和の終わり、いわゆるバブル景気は昭和61年に始まって平成3年まで続きます。つまり足かけ3年ずつを昭和と平成に跨いだ社会事象だったのです。
今回は初のケースですが「平成」が31年で終了することが決まっています。つまり今年は「平成最後の3年間」の始まりの年だということになります。
今年から再来年にかけてのできごとは、平成を終了するものと同時に新時代の方向性を示すものなのかもしれません。
そう考えると、例えば先ごろ決定したイージス・アショアの導入――。設置完了まで5年ほどかかるそうですが何か嫌な感じはしません?
もっとも第2回東京オリンピックは新しい年号の2年目ですから、新時代は平和で調和の取れた明るい時代になるという可能性もないわけではありません。
時代を、じっくり見ましょう。
では皆様、良いお年を!!
*「アフター・フェア」は例年学校のカレンダーに合わせるように書いています。ですから私も年末年始休業です。 ですが学校の先生方がそうであるように、休み中もしばしば出て来て、何か仕事をするのかもしれません。その時はよろしくお付き合いください。