このところアルバイト先などで悪ふざけをしている写真をツイッターやブログにアップして問題となる事件が続いています。最近の特徴あるものだけでも、
- ローソンで、アイスクリームケースに入る(高知県:7月15日)
- バーガーキングで大量のパンの上に寝転(東京都8月2日)
- 丸源ラーメン、店員が冷凍ソーセージをかじった写真をアップ(8月5日)
- ステーキハウス「ブロンコビリー」で冷蔵庫に入る(東京都:8月6日)
- ミニストップで股間にバーコードリーダーをあてた写真を撮る(東京都:8月7日)
- ピザハットでピザ生地を顔に張り付ける(東京都:8月19日)
- ピザーラで冷蔵庫やシンクに入る(東京都:8月25日)
- 同じ女子高生二人が西友で冷蔵庫に入ったり食品の陳列棚に上がってポーズを決めたりする(東京都:8月27日)
(以上カッコ内は公表された日付)。
ブロンコビリーの件では投稿されたツイッターに非難が集中。本人が応酬したところ炎上。その後アカウントを消したものの行為者は特定され、ネット上に個人情報が流失。一方「ブロンコビリー」は当該店の閉鎖を決定、アルバイト店員に損害賠償請求を行うとの報道もありました。
しかしなぜ、こんなアホなことをしたのか。
「いちいち面白がってうぜーな。しらねぇーやつが面白がって拡散とかいってリツイートしてんじゃねーよ。しらねぇーやつなのにいちいちだりーんだよ」
これは非難された際、本人が逆ギレしてツイッター上に書いた文です。要するに内輪の話に外部が乗り込んできてヤイノヤイノ言うのが気に入らないのです。しかしSNSというのは本来そういうものです。よほど注意深く制限をかけておかない限り、“しらねぇーやつ”は常に入り込み、情報を持ち出し、ヤイノヤイノ言うもの。この子にはその感覚が全くありません。
かつて「ドアの位置が狂いだした」という話がありました。
その昔、玄関のドア一枚を隔てて「ウチ(家庭)」と「ソト(社会)」は隔てられていた。ところが引きこもり子にとって、「ソト(社会)」は自室のドアのすぐ前にまで迫ってきている、だから部屋の扉が開けられない。ところが一方、同じ年頃の別の子どもたちは、ドアがどこにあるのかも分からない。永遠の遠くにある。だから電車の中でも平気でモノを食べ、化粧を直す、どこまで行ってもどこへ行っても「ウチ(家庭)」。
なるほどな、と思いました。しかしネットの中のウチとソトとは、ドアほどの厚さもない薄皮一枚で隔てられた世界です。しかも薄皮一枚の先にあるのは“全世界”です。その一枚が破られると大量のものが入り込み、大量のものが出て行ってしまう。
繰り返し繰り返し子どもたちに教えて行かなければならないことでしょう。