カイト・カフェ

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「波平の友」~昭和の54歳はあんなにジジイだったの?

 先々週だと思うのですが、テレビをつけたら偶然「サザエさん」をやっていて、カツオがお小遣いをもらう場面でした。画面に大写しになった百円玉を見たらなんとそこには「平成23年」と書いてあってびっくりしました。なんとなく昭和40年代くらいの話だと思っていたのです。
 東芝提供なのに薄型テレビもないし黒電話を使っていますし・・・。

 そこでふと気になって調べてみたら、原作のサザエさんは1922年(大正11年)生まれの27歳。つまり連載が始まった時は、昭和24年が舞台だったのです(カツオが空襲体験を語る場面もあるらしい)。しかし1974年(昭和49年)まで続いたそうですから、私の「40年代くらい」という感覚は大外れというわけでもありません。サザエさん一家は誕生した時からほとんど年を取らないまま、25年間も生き続けたのです。

 ところでアニメ版の設定は少し違っているようです。アニメのサザエさんは24歳。年の離れた弟のカツオくんが11歳、ワカメちゃんは9歳。マスオさんは28歳で波平さんが54歳、妻のフネさんは52歳です。そして私は考え込んでしまったのです。
「54歳って、あんなに年寄りなのか?」

 考えてみると大正12年生まれの私の父は(サザエさんの終わった)昭和49年には51歳。波平さんがそうであるように仕事帰りによく飲み屋に寄り、家に帰ると必ず風呂に入ってそれから和服に着替えていました。寝る時はもちろん浴衣(ちなみに、私は波平さんの着物や浴衣、背広までがすべてVネックなのがとても気になっています)。頑固なところも髪が薄いところもよく似ています。当時の私から見ればやはり年寄りでした。

 長谷川町子が「サザエさん」の連載を始めた時は弱冠26歳。そんな年頃の女性から見れば、50歳代は相当なジジイのはずです。いくら若いつもりでいても、波平さんと同年輩です。若い人から見ればやはり「単なるジジイ」でしかありません(加藤茶や中本工事、ラサール・石井たちは別物)。

 私ももう少しお年寄りらしくしていた方がいいのかなと、ふとそんなことを思いました。