カイト・カフェ

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「私たちがケリをつけなければならない」~政治家とは、選挙のためなら何でも言う生き物だ

 昨日のトップニュースは「消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革関連法案が衆院通過」、採決の際、民主党から57人の造反者が出たというものです。

 教員は政治的に中立であるべきという思いもあってこのブログでもできるだけ政治については書かないようにしてきましたが、今日という今日はイライラがやみません。
 造反者たちの言い分は「消費税引き上げの前にやることがある」ということだそうですが、それは野党の言うべき言葉であって政権与党の人間が言っていいことではありません。もし本当に「やることがある」なら、過去三年間のあいだになぜしてこなかったのか、自分たちの怠慢を棚に上げて「イヤなものはイヤ」では話にならないではないか、私はそう考えます。

 実は「消費税率引き上げ」に反対する人々は「その前にやるべき」対案など持っていないのです。持っていないからこそこれまでもできなかったのです。
 ではなぜできもしないことを言ってまでも「消費税率引き上げ」に反対するのかというと、単純に次の選挙で勝つためです。今選挙となれば「消費税引き上げ反対」と「脱原発」を叫べば必ず勝てると踏んでいるのです。勝った上で消費税率を引き上げてもよし、原発再稼動を繰り返してもよし、それが無理なら国債をばら撒き、外貨が尽きるまで石油を買い続けて火力発電をさせるもよし、とにかく議席を取りさえすればいい、そんなふうに考えているのです。

 そのやり方は三年前、子ども手当てを創設します、高校を無償化します、農家の個別補償も高速道路の無料化もします、財源はあります、予算の組み替えと埋蔵金でどうとでもなります、そう言ったのと同じです。「普天間基地最低でも県外、腹案があります」「25%の温暖化ガスの削減をします」「2020年代の早い時点で1000万戸の家庭に太陽光パネルを置きます」・・・全部同じです。

 まったく見通しもないまま俗受けする約束を、次々としては反故にしていく。天下国家、日本の未来など関係ありません。とにかく選挙に勝てばいい。それはもう民主党に根付いたというか、小沢選挙至上主義に張り付いた宿痾(しゅくあ)のようなものです。

「国民に受ける政策を訴えれば必ず当選する。当選した暁にそれを達成しなくても何の問題もない」それが小沢イズムの核心です。その上で小さくカッコを入れて「国民はバカだから」と思っています。

 その“国民”のほとんどは私たち教員の教え子です。その大事な教え子かかくもバカにされている。それは翻って言えば、私たちの教育が間違っていたということになります。実際、若年層の投票率の低さは、政治の怠慢というよりは教育の失敗でしょう。私たちが子どもに夢を与えることに失敗し、投票行動を起こさせることに失敗したからそうなったのです。

 私はそうとうにイライラしています。そして自分たちの未来を切り開くために、せめて二十歳になったら投票に行く、そういう子どもを育てなければ絶対にダメだと強く思います。選挙にも行かず、1000兆円にもなろうとする借金を黙って引き受け、私たち老人ばかりが得をする世の中を、指をくわえて見ている、そんな子どもを育てていては絶対にダメなのです。