カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「私のスマホ事情」①〜メモ帳・ボイスレコーダ

 事情があって自宅と実家の二重生活をしていると書きました。その際困ったのがネット環境です。実家の方に回線を入れてもいいのですが、実際の稼働時間を考えると、費用対効果が低すぎるのです。そこで考えたのがスマートフォンです。
 現在のスマホにはテザリングという機能があってコンピュータとつなげるとそのままネット接続できるのです。速度は非常に遅いのですが通常の作業に支障はありません。

 根は軽薄な私ですが軽薄と思われることには抵抗があり、それまでまったくスマホについて考えていませんでした(年寄りのスマホが軽薄かどうかについては議論の余地があると思いますが)。また、そもそも携帯電話や端末に対する抵抗感があって、素直になれなかったのです。なぜ抵抗感があるのかというと、とにかくこの小さな機械に24時間縛られているからです。
 いつも手元にないと不安、家や学校に置き忘れたときは何が何でも取りに行かなければならない、そういった極度に束縛されている自分が―許せないというほどではありませんが嫌なのです。しかしこの「いつも手元にないと不安」という神経症的な感覚は、別の方角から見るととても便利な面があります。それは「いつも手元にある」ということです。

 私は子どものころから無類の調べ屋で、しかも記憶力に劣る忘れん坊でした。ですからせっかく調べたり考えたりしたことが手元に残らない。特に民間に勤める友人からは「オマエはなぜ手帳を持たんのだ」と呆れられましたが、持たないのではなく持ってくるのを忘れてしまうのです。けれどケータイなら忘れない―私はこのことに早く気付くべきでした。

 いわゆるガラケーの時代には気づかなかったのですが、スマホに移行していつでもアプリケーションの一覧が見られるようになると、この小さな機械の使い方が次第に分かってきます。
 まず利用し始めたのが「メモ帳」です。記録した日時が自動的に付与されますから手書きのノートよりさらに便利です。書いた文の最初の部分が一覧に表示されますからメモの内容を一目で確認できる点も便利です。ただし文字入力は手書きに比べてはるかに遅いので、その点でイライラさせられることは少なくありません。
 何度かイライラしているうちに、ふと気付いたのは「ボイスレコーダ」です。「メモ帳」とは違って文字入力にイラつくことはありません。これで「メモ」はずっとしやすくなりました。しかしこちらは一覧に日時が出るだけで「何を入れたか」は表示されません。したがって賞味期間は短く、できるだけ早く開封して文字に置き換えないとあとの検索が大変です。

 「デイ・バイ・デイ」を書いていたころ、私はよくこれを利用しました。長い長い退勤路で、ふと思いついたアイデアを吹き込んでおくのです。そうしないと家に着くころには頭の中が空っぽということが良くあったからです。

 メモがきちんと取れるようになると次はカレンダーです。

(この稿、続く)