ゴールデン・ウィークと桜の見ごろが重なり、出張やら土日やらをはさんで学校に来たら、もう大部分の桜は散ってしまっていました。残念なことです。
この里の樹木は一気に百花繚乱で、他の地方なら2ヶ月かかって順番に咲く花が一ヶ月ほどでどんどん進んでいきます。その意味で見ごたえのある、そして目の離せない土地です。
私は人の名前が覚えられないのと同じで植物の名もさっぱり覚えられず、いつまでたっても「名も知らぬ木」と「名も知らぬ花」に囲まれている感じですが、見るのは好きです。特にこれからのシーズンは山々の木々の若芽が美しく、「緑の錦」と呼んでもいいような風情をかもし出します。
よく見れば冬の山だってそうなのでしょうが、春はまず常緑樹の緑が輝きを増し、続いて落葉樹の芽吹きが始まります。それぞれの樹木は葉を出す時期が少しずつずれますので、黄緑の若芽から濃い緑へと移る時期も微妙にずれています。そしてある時期、山はさまざまな緑で十重二十重と重なりを深めていくのです。私はこのシーズンが紅葉の時期よりもさらに好きです。
今、目の前の山は常緑樹の緑が濃くなり、シラカバなどの落葉樹はようやく芽吹き始めたところです。見ると2種類以上の緑がありますが、これは何という木の違いなのでしょう。赤っぽく枯れた感じの一帯は、何の木が占めているのでしょう。ご存知の方がおられたら教えていただきたいものです。
また、この感じを絵にしたらすばらしいと思って5年生の児童に描かせて失敗したことがありますが、図工の堪能な先生だったら、きっと東山魁夷や平山郁夫みたいな絵を描かせることもできるかもしれません。どなたか挑戦してみたらいかがでしょう。
いずれにしろ、春の気分は心躍るものです。