カイト・カフェ

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「エレーナ・センドラーの場合」~子どもたちはどんな大人になれと教えられ、育てられたか

 時間の関係でテレビは殆ど見ないのですが、先週、珍しく見たテレビでエレーナ・センドラーという人を知りました。第二次大戦中ワルシャワのゲットー(ユダヤ人居住区)から2500人の子どもを救い出したという女性です。まったく未知の人だったのですぐに調べたのですが、その業績や生涯については長くなりますのでここでは触れません。しかしその略歴の中に、とても心に残る逸話がありましたので書いておきます。それはエレーナと父親の物語です。

 父親は1917年のチフス大流行の際に医師としてワルシャワ近郊の町でユダヤ人をはじめとする貧しい人々の治療にあたっていたが、自身も同じ病で命を落とすことになった。エレーナが7歳の時に亡くなった父親は、娘に「もし溺れている人に出会ったら、たとえ泳げなくとも助けようとしなさい」と言い遺したという

「もし溺れている人に出会ったら、たとえ泳げなくとも助けようとしなさい」
 エレーナ・センドラーは父親の遺言の通り、危険を顧みずに2500人の子どもを助け出しました。そしてやがてゲシュタポに捕らえられ、激しい拷問のあと死刑の判決を受けます。その後さまざまな幸運と援助のおかげで奇跡的に助け出されますが、開放されたときには腕や脚を折られ、意識を失ったまま森の中に放置されていたといいます。

 さて、そこで思うのは、現代の親たちは、子どもたちに何と言いながら子育てをしているのかということです。武田鉄矢の母のように「輝く日本の星となって、帰って来い」(『母に捧げるバラード』)とまでは言わないにしても、何らかの生き方の指示は、出てのだろうかということです。

「あなたのお父さんやお母さんは、あなたにどんな大人になってもらいたいと言っていますか?」
 一度、大掛かりに調べてみたい内容です。