カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「あなたのお父さんやお母さんは、あなたのことをどんなふうに思っていると思いますか」~子どもに訊いてみたら

 昨日は「あなたのお父さんやお母さんは、あなたにどんな大人になってもらいたいと言っていますか?」ということを、子どもに尋ねてみたいというお話をしました。しかしそれとは別に、聞いてみたいことがもうひとつあります。それは、
「あなたのお父さんやお母さんは、あなたのことをどんなふうに(どんな子だと)思っている、と思いますか」
という問いです(文の最後のところがゴチャゴチャしていて分かりにくいのですが)。

 実はこれについて一度、以前勤務した学校で調査したことがあるのです。回答は実に惨澹たるものでした。

「バカだと思っている」
「ロクでもないと思っている」
「いない方がいいと思っている」・・・・。

 その結果を次の学級PTAの際に話題にしましたが、親の愛というのはかくも子どもに伝わりにくいものなのです。 「子は親の背中を見て育つ」というのは、日本人のほとんどが農家や商家、あるいは職人だった時代のこと。現代は、家に一日中親がいて部屋数もないから否応なく「親の背中」が見えた時代とは違うのです。

 愛情も優しさも、きちんと目に見えるかたち、耳に聞こえるかたちにしないとまったく伝わっていきません。
 そのくせ、たまに声を荒げたときの「バカか?お前は!」とか「お前なんか、いない方がいい!」といった言葉が、印象が強いだけにグサリと入り込んで残ってしまいます。

 親に、バカだと思われている、ロクでもないと思われている、いない方がいいと思われている……そんな気持ちで成長してくる子どもは本当にかわいそうです。すべからく親は、自分の子がこの問いにどういう答えを持っているのか、考えておく必要があります。