カイト・カフェ

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「冬至」~継ぎはぎウンチク

 今日は冬至です。北半球では一年で一番昼の時間が短い日です。日本ではこの日に柚子(ゆず)湯に入り小豆粥(あずきがゆ)やカボチャを食べると風邪をひかないと言われています。

 冬至に風呂というのは、もちろん寒い時期ですので十分に暖まろうという意味もあるのですが、実は「湯治」との音つながりで注目されているにすぎません。更に「柚(ゆず)」も「融通(ゆうずう)が利きますように」という願いが込められているのだそうです。5月5日に「(我が子が)勝負強くなりますように」との願いをこめて「菖蒲(しょうぶ)湯」に入るのと同じ「願かけ」なのです。

 現在は季節に関係なく多くの野菜が供給されていますが、日本では西洋野菜が国内に出回るまで、この時期に取れる野菜はほとんどなく、保存できる野菜も少なかったのです。かぼちゃは保存がきき、保存中の栄養素の損失が他の野菜に比べて少ないため、冬至の時期の貴重な栄養源でした。

 今調べたばかりのホクホクの話ですが、かぼちゃは中央アメリカから南アメリカ北部を原産地とするウリ科の植物で、日本かぼちゃと西洋かぼちゃに大別できるのだそうです。

 日本かぼちゃは16世紀中頃ポルトガル船によってカンボジアからもたらされ、「かぼちゃ」の名はこのときの伝来先に由来しています。中国(唐)、西アジア(諸越)から来たと信じられた「トウ・モロコシ」といっしょです。

 その日本カボチャは江戸時代に普及しましたが、そのころから風邪や中風の予防にかぼちゃを冬至に食べる風習が根付いたといわれています。これは当時、冬場に野菜がとぎれてビタミン類が不足することからで、日本かぼちゃしかない時代に始められた風習です。

 西洋かぼちゃは肉質がほくほくしているところから「栗かぼちゃ」とも呼ばれています。幕末にアメリカ人が持ち込んだのが最初で、明治初期に開拓使によってハッバードなどの品種が導入され、その後、甘みの強い「えびす」や「みやこ」などの品種が育成され、現在では、このハッバード系のかぼちゃが全消費量の多くを占めています。

 かぼちゃの栄養成分の特徴はなんといってもカロチンを多く含んでいることです。カロチンは、体内でビタミンAにかわって肌や粘膜を丈夫にし、感染症などに対する抵抗力をつけてくれます。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」といわれるのはそのためです。

 以上、ツギハギの調査情報でした。