「女性に重いものを持たせてはいけない」
それは正し判断なのだろうか?
相手が若くても、仕事であってもそうなのか?
ジェンダー的にはどうなのか? と、なかなか面倒な時代だ。
という話。(写真:フォトAC)
【女性に持たせるわけにはいかない】
母が急に入院したため、ネットで注文して実家に送ったミネラルウォーターを受け取れませんでした。そこで再配達の伝票を頼りに、置き配指定で再配達を頼もうとしたのですがなぜかうまく行かず、しかたないので営業所扱いにしてあとで取りに行くことにしました。それをもらいに行ったのが昨日です。
手続き自体は簡単で荷物はすぐにもらえたのですが、その際、30歳前後の若い女性担当者が、
「重いですから、お車までお持ちします」
そう言ってヒョイと荷物を持ち上げました。500mlボトルで36本ですからおよそ18㎏の荷物です。重いに決まっています。
それなのに私は、
「お願いします」
と言えないのです。
「いや、女性に持たせるわけにはいきません」
そう言って受け取り、車まで自分で運びました。
おかげで今朝は腰がひどく痛い・・・。
【たぶん衰えているが、その気がない】
間もなく70歳ですから若い人の助けを借りるのは当然の権利かもしれません。さらに場所が宅配営業所であればそれも料金の内と考えられます。自分自身はそう思っていないのですが、妻に訊くと外見も十分に《老人》だそうです。さらに言えば、「(重い荷物を)女性に持たせるわけにはいきません」と思うこと自体が「昭和」で、ジェンダー平等に反し、庇ったつもりの女性を傷つけたのではないか――そう考えると何が正しく、何が間違っているのかもよく分からなくなってきます。
電車やバスなど「優先席」に座ることには申し訳ない気持ちがあります。しかし敢えて「優先席」から遠い場所にいて、若い人に席を譲られたらそれを断るのも申し訳ない。もっとヨボヨボになればお互いに分かりやすくなるのかもしれませんが、なかなか面倒な年齢だなあと、改めて感じています。
【ミック・ジャガーも年老いた】
今朝のニュースでザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーが80歳になったという話題を扱っていました。
「ノリノリのダンスは今も健在です。その秘訣は、趣味の運動と健康な食事。新しいアルバムも制作中です」
そんなふうに紹介されていましたが、「不良の中でも比較的良い子のビートルズ、悪ガキ中の悪ガキがストーンズ」と教えられてきた私にとっては、とても衝撃的でした。運動と食事に気を遣うチンピラなんて、それだけでも堕落でしょ。
私もダメになったが、ミック・ジャガーも衰えたものです。