カイト・カフェ

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「欲の深い人間かどうかをテストする」~Fire TV Stickとペディグリーペット詐欺 

 新しいFire TV Stick を購入した。
 そこで見た映画に面白い場面があったので紹介する。
 自分が欲深い人間かどうかをチェックするテストだ。

というお話。

f:id:kite-cafe:20200706065348j:plain(「犬(ペキニーズ)」フォトACより)

 

【新しいFire TV Stickを買った】

「Fire TV Stick 4K - Alexa対応音声認識リモコン付属」という装置を購入しました。アマゾンのサービスのひとつ、アマゾン・プライム・ビデオをテレビで見るための道具です(コンピュータだとアマゾンのサイトから直接見ることができる)。アマゾン・プライム・ビデオには相当な数の映画が入っておりプライム会員ならほとんどが無料で見られるのです(一部有料)。


 実は数年前に4Kではない「Fire TV Stick」を購入してけっこう楽しんでいたのですが、ここのところ機械の調子が悪く、起動に時間がかかったりフリーズしたりでとてもストレスだったのです。
 当面4Kテレビを購入する予定はないのですが、いずれは買うことになります。そこで思い切って割高の「Fire TV Stick 4K」の方を購入したわけです。

 その結果どうだったのか、ひとことで言えば、
「もっと早く買い替えればよかった――」
です。とにかくサクサクとよく動く。待機時間もやや少ない感じです。新しいリモコンには以前はなかった音量ボタンがついており、電源ボタンもミュートもあってとても便利です。

 

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 もっとも私の場合、最近は映画よりも音楽を聴くことが多く、同じ「Fire TV Stick」からアマゾン・ミュージックを呼び出して聞くのを常としています。テレビにはサウンドバーシステムを接続してあるので音質がいいのです。昼間はたいていジャズをかけっぱなしにしていて、音楽が始まるとウサギの「ミルク」がやってきて、部屋の隅でマッタリとしていたりします。

 妻は私と違って音楽よりもテレビです。“ながらテレビ”のできる人で、推理ドラマの途中で何かに熱中して謎解き部分を見落としてもまったく苦にならないという特技を持っています。その妻が先日、新しい「Fire TV Stick」で「コンフィデンスマンJP ロマンス編」(2019)を見ていて、その冒頭に面白い場面がありましたので紹介します。

 

【ペディグリーペット詐欺】

 主人公のひとりを演じる長澤まさみが喫茶店のテラス席に座っていると、一匹の毛むくじゃらの白い犬(ペキニーズというのかな?)を連れた若い女性が現れます。彼女は自分と長澤まさみの間に犬をつなぎ、長澤が「まあ、かわいい」と近づくと、さりげなく「彼氏さんからのプレゼントなの」と紹介します。
 それから携帯で誰かに電話するのですが、「えー、どういうこと?!」と突然、声を荒げ、聞かれたくない内容なのか携帯を耳に当てたままその場をいったん去ります。そこへ今度は初老の紳士が現れて、
「おや、マーブルアイですな、これは珍しい。私はブリーダーをしているのですが、良かったら100万円で譲ってくれないか」と持ち掛けるのです。長澤が、
「いえ、この犬は・・・」
と言いかけると紳士は、
「いや今すぐに返事をということではないのでよく考えて、その気になったらここに電話をください」
 そう言って名刺を預け、その場を立ち去ります。そこに先ほどの若い女性が戻って来ます。大きな声をあげて、
「ああ!フラれた! もうそんな犬、二度と見たくない! だれか引き取ってもらえないかな、10万円くらいで!」
と叫びます。
――さてそこで問題です。このあと長澤はどうしたのでしょう?

 テレビの「コンフィデンスマン」を一度でも見たことのある人ならこれが詐欺師の話だと知っていますから簡単には引っかからないと思いますが、そうでなければイチコロでしょう。

 これは「ペディグリーペット」と呼ばれる古典的な詐欺で、欲をかいた人間はその場で10万円を渡し、売れるかどうかも分からない雑種犬と、決して通じることのない電話番号の書かれた名刺を手に入れることになるのです。若い娘と初老の紳士はグルです。

 詐欺にかかりやすい人間のひとつの特性は「欲が深いこと」です。もちろん金銭に淡白すぎるから引っ掛かる詐欺というのもたくさんありますから一概には言えないのですが、映画を見ながら一緒にペディグリーペットに引っ掛かりそうになったあなたは、おのれの欲に注意した方がいいのかもしれません。

 私?
 私は大丈夫です。きちんと働いて手に入れたお給料や年金以外には、すべてに呪いがかかっていていると信じているような臆病者です。あぶく銭からは危険の匂いしかしません。
 映画のような詐欺の場面に遭遇したら、犬を連れたお嬢さんに名刺をさしあげて、「今ここを通りかかった紳士が100万円で買うと言っていましたよ」と教えてあげるに違いありません。
 たぶん・・・。