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「コロナ禍が終わる、かもしれない」~とりあえずのまとめ

 新型コロナ感染もだいぶ落ち着いて、地方にも観光客が溢れてきた。
 これが最後の感染拡大ではないのかもしれないが、
 とりあえずこのあたりで、全体を眺めて整理してみよう。
 世界にはいろいろな状況がある。

という話。(写真:フォトAC)

【コロナ禍の終焉、かな?】

 まだ内閣は慎重ですが、このところ新型コロナの感染状況も落ち着き、私の住む田舎町にも観光客の姿が見えるようになってきました。最近一週間の「人口10万人あたりの感染者数」「人口100万人あたりの死者数」も、ぐんと減りました(下のグラフ)。

 もっとも1月上旬は新規感染者7000人以下、新規死亡者0~2名でしたから、それに比べると感染状況は決して良いとは言えないのですが、1月がデルタ株終息期、現在がオミクロン株減衰期と考えると、今後これ以上は下がらない可能性もなくはありません。オミクロンはそれくらいしぶとそうです。


【世界の状況】

 世界的にも感染状況は飛躍的によくなっています。主として最初に感染の広がった欧米諸国と韓国・イランあたりを継続的に見ているのですが、ヨーロッパ諸国はもう完全に終息気分で、スペインなどは週に4~5回の五月雨報告。ドイツやフランスも土日の集計はやめてしまったようです。
 しかもどうせやめるならきちんとやめればいいものを、ドイツなどは、
(新規感染者)
6月17日(金) 80264人
6月18日(土)     2人
6月19日(日)  6941人
6月20日(月)123097人
と妙な出し方をしてきますから不思議です。もう神経質な集計はしないということなのでしょうか。

 ただしこれらの国々の10万人あたりの死亡者は、今でも日本の5・0倍~6・6倍ですから死というものに対する感覚がまったく異なっているのかもしれません(10万人あたりの感染者数の方は5~7倍)。コロナ禍初期にあまりにも大勢を死なせてしまって、感覚がマヒしているのでしょう。


【感染者数と死者数のまとめ】

 新型コロナによる感染者数と死者数のトップ3はアメリカ・ブラジル・インドです。いずれも人口の多い国なのでどうしても数は多くなります。
 ただ、感染者数の第二グループを見るとフランス・ドイツ・イギリス・イタリアなど、人口が日本の半分程度しかないヨーロッパ先進国が出てきます。人口の少ない国でこれだけ感染するというのは、やはり状況は深刻だったのです。

 また死亡者のグラフに目を移すと、トップ3の次にロシア・メキシコ・ペルーといった、あまり話題にならなかった国々が見えてきます。それぞれの国民に対する見方、あるいは衛生状況が反映しているのかもしれません。



【感染状況の実感】

 オミクロン以降、私の田舎町でも「誰々さんが罹った」だの「何々一家が全滅だ」といった話が耳に入るようになりましたが、デルタ株の時期は数字こそ上がるものの身近に感染情報はなく、何とも居心地の悪い感じでした。感染の危機が目の前にあるという実感は、やはり知り合いや近所の人々が罹ってこそ湧いてくるものでしょう。

 それは世界も同じで、感染者数トップ3のうち、合衆国は人口3・3億人、ブラジルが2・1億、それに対してインドが一けた違う13・8億人ですから、もしかしたらインドの感染者はかなり少なく感じられるのかもしれません。
 実際、人口10万あたりの感染者数を計算すると合衆国は2万6400人ほど、ブラジルが1万5000人ほど。それに対してインドはたった3200人、合衆国のわずか12%ということになりますから、インド国内の地域差を考慮すると、どこ吹く風みたいな人も大勢いたはずです。
 そのことを考慮して作ったのが下のグラフです。
 

 10万人あたりの感染者でみると、オランダ・フランス・スイスがトップ3です。しかしここで驚くべきは、韓国・シンガポールニュージーランド・オーストラリアといった、かつての「超優等生国」のグラフの高さです。いつの間にこんなことになったのか。
 ここには国土の広さの問題があります。トップ3のオランダ・スイスも同様ですが、シンガポールニュージーランド・オーストラリアは国土が極端に狭かったり、人口稠密地域が小さかったりして、いったん感染が広がると国民全体が呑み込まれる傾向があったようです。人口の少ないことも関連するでしょう。
「超優良国」の凋落は2月~5月にかけてのことでした。いかにオミクロン株が抵抗し難かったか分かろうというものです。

 また、国土が狭いわけではなく人口も少なくない韓国には、別の事情があったのかもしれません。感染の広がった2月~5月は文政権の最末期で、大統領選挙も終わっていましたから、「世界中の感染者の4人にひとりが韓国人」という異常な状況も、放置されたのかもしれないのです。

 10万人あたりの死亡者のグラフを見てみると、韓国・シンガポールなど今年に入って爆発的感染拡大に見舞われた国々も、死者はさほど多くなっていません。「オミクロン株では死者は出にくい」というのはやはり事実だったようです。
 ただし韓国・ベトナムの10万人あたり死者数が日本を越え、オーストラリアやニュージーランド、そして台湾までが日本に迫る勢いというのは、やはりオミクロン株が侮れないウイルスであったことを示しています。


【ウイルスに初心な国々】

 さて、およそ2年半のコロナ禍を経て、それぞれの国は何%の国民が感染したことになるのか、それが次のグラフです。
 

 

 オランダ・フランスなどが国民の半数近くを感染させてしまったのに対し、日本はわずか7・3%です。
 他に感染率が低いのは、初期に爆発的感染があって世界を驚かせたイランを含む中東諸国、そして地中海沿岸と南アフリカ共和国を除いたアフリカ諸国です。特にあれほど心配されたアフリカ諸国の感染率および死亡者数の少ないことには、改めて説明が欲しいところです。
 
 先日、私のところにも4回目のワクチン接種券が来ました。巷間言われるように「ワクチンでつくられた抗体は消えやすいが、感染によってつくられた抗体は永続性が強い」というのが本当なら、これからのオランダやフランスはむしろ安全な国ということになります。
 日本をはじめとする中東やアフリカ諸国は、コロナ感染に対してまだまだ初心なのかもしれません。国内では岸田政権が慎重すぎると批判もありますが、感染率7・3%が良いことなのかそうでないのか、そのあたりも考えておかなくてはならないでしょう。

 おっと、ひとつ大事な国を忘れていました。中国です。
 2か月におよぶ上海の完全封鎖など、ここにきてようやくコロナ禍の様相を呈してきましたが、それでも14億人もいる国で感染者累計89万人弱(日本は919万人)、死者は5200人ほど(日本は4万5000人)しかないのです。
 諸外国の専門家たちは口を揃えて「ゼロコロナ政策はもたない」と言いますが、韓国の文政権末期のように野放しにするわけにも行きません。どうしたらいいのか。
 注目していきましょう。

(追記)
 今日で退職後1700回目の更新になりました。全体としては3987回になります。
 歳を経るごとに、暇なこともあって文章は長くなり、中身は具体性を欠いて同じことの繰り返しになっています。しかしそれなりにがんばっていますので、時々は覗いていただけるとありがたいと思います。
 今後もボケ切るまで続けるつもりなので、どうかよろしくお願いします。