「オミクロン株で死ぬ確率は、これまでよりずっと高いのかもしれない」~統計でみる第6波の現在

 感染者数の数字は大きくなっているが、
 どうやら完全拡大にもブレーキがかかり始め、第6波も終焉に向かい始めた。
 しかし安心はできない。家族や友人を失う可能性は、
 これまでになく高いのかもしれないからだ。

という話。f:id:kite-cafe:20220204065859j:plain(写真:フォトAC)

【第6波は間もなく引き潮になる】

 相変わらずオミクロン感染は拡大しているとはいえ、今一番深刻な東京でも、同じ曜日の比較で30日(日曜日)は前週日曜日より6427人多かったものの、翌日31日は前月曜日より3248人、そして火曜日には1632人と、増加幅は次第に下がってきて、おおよそ今週末にはプラスからマイナスに転じるのではないかと予想していました。先週の木曜日などは先々週の木曜日より7800人も多かったのですからずいぶん下がったものです。
 ところが一昨日(水曜日)は再び前週水曜日よりも7490人も多い2万人越えで21576人。昨日の発表でも、新規感染者は再び2万人を越えて“どこまで続くぬかるみぞ”という感じに戻ってしまいました。

 しかしグラフにしてみると分かるのですが、先週木曜日・金曜日の(前の週に比べて)7900人増・7932人増を頂点として、4日がかりで下がってきた数値が2日の水曜日に一気に7490人へと4・6倍も増えたことの方が異常なのです。

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 統計でこうした異常が出ることには、いくつもの原因が考えられるのですが、そのひとつは集計のミスまたは遅れです。この数日についていえば、増加幅が少なかった月曜日・火曜日は実数が少なかったのではなく、集計が遅れてその分を水曜日に一気に吐き出したため、見かけ上「急激に減っていきなり上昇した」となった、そう考えることもできます。

 考えられるもうひとつの原因は――これは「学校におけるいじめ件数」で何度も煮え湯を飲まされていますからよくわかるのですが――統計の基準が変わった場合です。報告すべきいじめを「教師が確認できた件数」から「児童生徒が訴えた件数」に変えるだけで、爆発的に増加します。

 今回の東京都の新型コロナ感染線者数の急増は後者で、都が2月2日から「検査を受けずに医師の判断で陽性と診断された患者の数も新規感染者数に含める」と変更したから爆発的に増えた、そう考えるのが妥当だと思われます。
 感染者はもともと発表よりかなり多かった。その分を差っ引くと、やはり今は上昇速度に大きなブレーキがかかり、まもなく反転して減少に向かう時期かと思います。もう少しの辛抱です。

【オミクロン株で家族や友人の死ぬ確率は、これまでよりずっと高いかもしれない】

 ただし心配なことは他にあります。
 私はなぜ、この問題をニュース番組が重要視しないのかとても不思議なのですが、昨日の新型コロナよる死者は90人です。
 イギリスでは今も毎日数百人が死んでいるのに感染対策をやめようとしているとか、合衆国では日々3千人から4千人もの人々亡くなっているのに多くは自主的にマスクを外してしまったとか、そういったニュースを見慣れていますから90人は大したことのない数字のように感じるかもしれませんが、これは日本ではかなり危険な数なのです。

 この二年間の“一日に発表された死亡者の最大数”は昨年5月18日の216人、第2位が5月7日の148人。しかしこの二つは前後の関係からおそらく報告漏れを含めたものですから、信頼できる最大値は5月17日の122人だろうと考えられます。120人台というのは第3波でも2回記録していますから、そのあたりが最大値なのでしょう。
 第6波は昨日の段階で90人。死者数は感染者数よりも遅れて増加しますから、今後122人を大きく更新するかもしれないのです。

 オミクロン株は極めて重症化しにくく、感染者に対する死亡率も0・05%だとか0・001%だとかいろいろな言い方をします。しかし亡くなった本人や家族からすれば意味のある数字ではありません。大切な家族を亡くした人に「でも、死亡率は0・05%ですから」と慰める人はいないでしょう。
 また、オミクロン株の“感染者に対する死亡率”は確かに低いかもしれませんが、何しろ感染者数自体が巨大ですから、対人口比(家族や友人に死者の出る確率)は、これまでの5波よりはるかに高いのかもしれないのです。
 私の住む田舎県でも、いままでになく死者の報告が相次いでいます。

 決して、気を許してはいけません。