カイト・カフェ

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「アレクサ、何でも言うことをきいて!」〜Amazon Echo Dotを買う

 しばらく以前、記事の中でAmazonのキャンペーン「Amazon Music Unlimited、今、入会すれば4カ月間99円!」にまんまと乗せられて入会し、豊かな音楽生活を味わったら元に戻れなくなり、おそらく月額780円を支払っても更新手続きをしてしまうだろう、またその際、スピーカ型音声アシスタント「Echo Dot」も買ってしまうだろうと、そんな記事を書きました。

kite-cafe.hatenablog.com そして案の定、
 買ってしまった・・・。

 5980円。ケチな私としては空前のできごとです。

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Amazon Echo Dot(エコードット)】

 Amazon Echo Dotというのは「スマート・スピーカー」とか「AIスピーカー」という範疇で括られる機器のひとつで、しかしそれより「スピーカ型音声アシスタント」と言った方が分かり易い装置です。要するに話しかけて仕事をさせる道具、と考えればいいでしょう。

「Alexa(アレクサ)」という名前がついているのでその名で呼びかけ、続いて指示を出します。
「アレクサ、テレビをつけて」
「アレクサ、居間の灯をつけて。――もう少し暗くして」
「アレクサ、炊飯器を明日の朝7時にセットして」
「アレクサ、NHKテレビが見たい」
「アレクサ、パパは何時に帰るんだっけ?」
「アレクサ、8時までにお風呂を沸かしておいて」
といった具合です。

 しかし実を言えばこれができるためにはEchoDoTに対応するテレビ・電灯・炊飯器・風呂(これらをスマート家電という)を用意し、「パパの帰宅時刻」はネット上のカレンダーに書き込んでおかなくてはなりません。私の家には現在、Bluetoothでつなげるサウンド・バーがあるだけですから、今できるのは音をそちらに切り替えて大音量で流す程度です。(*)

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*右のようなスマート家電コントローラーを使うと、赤外線リモコンで動くかなりの数の電化製品が操作できるみたいですが、評価はまちまちで迷っています。

 

 つまりこのままだと今はさほどではないが、おいおいスマート家電を買いそろえて行くにしたがって、やがて便利で快適な家庭生活が送れるようになる、そういう道具だとも言えます。

 もちろん「人間、それでいいのか」という問題はあります。しかし一部屋にあれこれリモコンが六つも七つもあって年じゅう探している私のような人間には、精神衛生上あった方がいいのかもしれません。

 

【今のアレクサにできること】

 では接続する機器のほとんどない今の段階で何ができるかというと、それでもけっこう面白いことがあります。

 まず、当初の目的である“音楽がかけられる”。
「アレクサ、ビートルズをかけて」「アレクサ、ゲスの極み乙女が聞きたい」
 それでOKです。ビートルズやゲスの極みの曲がシャッフル再生(適当な順番で)流れます。
「アレクサ! 静かなジャズをかけて」
 そう指示しても応えてくれます。

 あるいは、簡単な質問に答えられます。
「アレクサ、トランプ大統領の齢は?」――「ドナルド・トランプ大統領の年齢は72歳です」
「アレクサ、勤労感謝の日って何?」――「勤労感謝の日国民の休日のひとつで・・・」
「アレクサ、吉野源三郎って誰だっけ」――「こんな説明がありました。吉野源三郎は・・・」
といった具合です。

 天気を予報を聞いたりNHKニュースを呼び出したり、簡単な翻訳もしてくれます。
「アレクサ、英語で“僕は休みます”って言って」
「アレクサ、英語でアメリカ議会の下院はなんて言うの?」
(それぞれ “I’ll take a lest”、 “American Congress House”と、きちんと答えてくれたらしいのですが発音が良すぎて聞き取れない・・・)

 また、かなりつまらないのですが、ダジャレを言ったり謎かけもできたりもします。
「アルバイトは――、ない場合と、ある場合とがある」
「野球とかけてスーパーマーケットのタイムセールと解く。その心は――」「フライめがけてまっしぐら」
(ま、なくていい機能かな)

 その他、「アレクサ、おはよう」とか「アレクサ、ありがとう」と言ったりすると、意外な答えが返ってくることもあり、なかなか楽しめます。

 EchoDotのスピーカーはかなり音質の良いもので耳元で聴こうとするなら十分ですが、最初から音楽が目的だったら物足りないかもしれません。その場合は最初からEchoDotの上位機、Echo(11980円)かEcho Plus(21151円)を購入しておくべきでしょう。しかしやはり室内で大音響で、ということになればステレオタイプのスピーカーが欲しくなります。

 私はテレビ用のスピーカーシステム「サウンドバー」を二年前に購入してあったのでそれに接続して楽しんでいますが、うちの装置はメインスピーカーが棒状(サウンドバーだから)で、テレビのリモコンの受信部にかぶさってしまい、寝っ転がった状態でチャンネルを変えようとするとうまく行かない場合があります。

 その点、後継機のPioneer HTP-CS1 コンパクトフロントスピーカーシステムはメインスピーカーがバーではなく、ふたつに分かれているので都合がいいいいかと思います。やはりそれなりの進歩はあるものです。オススメです。

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【EchoDotで困ること、できないこと】

 しかし何もかもいいというわけではありません。
 使い始めてかなり早い時期から気づいたことですが、問題のひとつはEchoDotの側からの情報がほとんどないということです。

 具体的に言うと、や上位グレードのAmazon Music Unlimitedにどんな曲が入っているか、目に見える形で提示されてこない。したがって私の知っている曲やアルバムしか要求できないのです。
 また、
「アレクサ、モーツァルトのレクイエムをかけて」
というと、
「ヴォルフガング・アマデウスモーツァルトの『レクイエム―怒りの日』を再生します」
となって、
(オイ!ちょっと待て! 途中から始めるな!)
 うまく全曲を引き出すことができなかったりします。

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 その点でコンピュータの「Amazon music」(アプリケーション)やFire TV stickAmazon primeの映画および音楽の受信機)は、画面を見ながら、「おや、こんなアルバムがあるんだ」とか「これを最初から聞こう」といった具合に目で追っていくらでも調整ができる便利さがあります。

 もちろん「Amazon music」や「Fire TV stick」で覚えてEchoDotに呼びかけてもいいのですが、それなら最初からコンピュータやstickで聞けばいいだけです。

 また、Prime musicの中に“ある”のは分かっているのに音声認識に引っかからないものもあります。
 ビートルズの「アビーロード」は再生してもらえるのに「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」はうまくかけてもらえません。私の発音が悪いからでしょうが、どうやったらできるのかいまだに分かりません。

 購入して三日目、EchoDotが突然反応しなくなってしまいました。動いてはいるようなのですが何度呼び掛けても応えてくれない。
 しかたがないので最後には諦めて再起動をかけ、WiFiにつなげるところから全部やり直してそれでもつながらないので、返品・交換を考え始めたとき、突然気がついたのです。
 私は「アレクサ」を忘れて、「アレックス!」と呼び掛けていたのです。これで答えるわけがない。

 先の「サージェント・ペパーズ~」同様、こちらがしっかりしていないといけない、工夫していかなければいけない、要するにお互いが育って行く必要もあるということです。

 スマートスピーカーEchoDotできることはいまのところその程度ですが、10年後、20年後を考えるときっと生活のかなりの部分を音声認識にやってもらうことになります。それに向けて、今から慣れておく入門機と思えば、値段も手ごろ、使い勝手もよく、かなり面白い装置だと思いました。

 なお4000万曲から曲が選べるAmazon Music UnlimitedはEchoDotから加入すると月額380円ですむそうです。私はそうしました。