カイト・カフェ

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「タコが間違うわけがない」〜サッカーワールドカップ天才予言ダコの話

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 ちょっと甘い夢を見させてもらったかな・・・。
 やっぱ、天才予言ダコを食っちゃあイカン!
(以下、昨日書いた文です)

 いよいよ決勝トーナメント1回戦です。
 北海道では1次リーグ3試合のすべての予想を的中させたミズダコ・ラビオ君が「日本・ベルギー戦」を日本の勝利と予想したとか、ニュースになっていました(2018.07.02 『サッカー日本代表 タコ「2代目ラビオ君」日本勝ちを予想』)。
 確率27分の1を全問正解したタコの予想ですから外れるわけがありません。今夜は枕を高くして寝られます。明日の朝、早起きをして結果を見ることにしましょう。

【タコが間違うはずがない】

 ところでタコの予想というと8年前、2010ワールドカップ南アフリカ大会でドイツに関わる全7試合と決勝、合わせて8試合の結果を全問正解した天才タコ・パウル君というのがいました。

 ドイツの水族館で飼われてたマダコで、すでにUEFA EURO 2008でドイツに関わる6試合中4試合を的中させるという実績を誇っていましたが、ワールドカップは破竹の勢い。一次リーグを「ドイツ勝利」「ドイツ負け」「ドイツ勝利」と予想して全問正解。

 決勝トーナメントも第1回戦「対イングランド、ドイツ勝利」、2回戦(準々決勝)「対アルゼンチン、ドイツ勝利」とみごと的中させてドイツ国民を歓喜させたのですが、準決勝「対スペイン戦」はなんと「スペイン勝利」のご宣託。
 ドイツ・サポーターからは「これで当てたら食卓行きだ」脅迫されたりしたのですが、喜んだのはスペイン・サポーター。
 当日は会場で、「タコが間違うはずがない」とか「タコがドイツを打ち負かす」とかいったプラカードを振り回して応援しました。

 もちろん予想は的中。その瞬間、ネット上には「フライやバーベキューにしろ」「パエリアにしてしまえ」「サメの水槽に投げ込め」といったドイツ・サポーターによる八つ当たりの書き込みがあふれ、パウル君の危機に際して、スペインからは首相が「安否が心配だ。保護チームを派遣しようかと考えているところだ」とコメント。産業大臣は「安全上の理由から」パウルをスペインに移すことを提案し、海洋大臣も「EUの漁業関係相理事会があるので、ドイツに対しパウル君を食べないよう頼むつもりだ」と語ったといいますから大変な騒ぎです。
 スペインのある村からは「地元で開催されるタコ祭りの親善大使にと、3万ユーロ(約340万円)での買い取りを打診した」といった話まで出たと言います。

 本国ドイツでは評判ががた落ちでしたが、俄然、世界の注目を浴びたパウル君の「3位決定戦予想」は世界中に生中継され、タコは少し迷ってドイツを選択。結果を聞いた対戦相手ウルグアイチームの監督は「ドイツもタコの予言も打ち破る」と意気込んだといいます。
 しかし結果はドイツの勝利。3位を確保したことでパウル君の国内での人気は回復、命も長らえたようです。

 さらにそれまではドイツに関わる予想だけだったのが、決勝のオランダ−スペイン戦まで予想させられ、パウル君はスペインを選択、その瞬間イギリスのブックメーカーではオランダ優勢の掛け率がひっくり返ったといいます。もちろんこの時もタコを信じた人たちの勝ち。オランダからスペインに乗り換えた人たちはラッキーでした。

 パウル君はその後、全ての予言を的中させた功績によりワールドカップ優勝トロフィーのレプリカが授与され、パウル君はそれを8本足で丁寧に受け取ったといいます。

 タコの寿命はせいぜい3年。予想を的中させた時点で既に2歳半だったパウル君はまもなく死んでしまいます。
 その知らせを聞いたアルゼンチン(準々決勝でドイツに敗退)のマラドーナツイッター上に「予言タコが死んでよかった、ワールドカップで負けたのはお前のせいだ」と書き込んだといいますから、よくも憎まれたものです。

【日本の予言ダコは・・・】

 さて1次リーグ3戦的中の日本の予言ダコ・ラビオ君。「対ベルギー戦の日本の勝利」、みごと的中するでしょうか――と書きかけて先の毎日新聞を読み直したら、
 初代「ラビオ君」は1次リーグを前に、コロンビア戦の勝利を予想。さらにセネガル戦の引き分けとポーランド戦の敗戦とすべて的中させたが、その後食用に出荷された。
――って、タコが違うんか? 天才タコ、食べちゃったのか?
 それ、ダメだろ。
 急に心配になってきた・・・。

(参考) 世界で一番有名なタコ パウル君