娘のシーナの友人であるエリカが今年三月いっぱいで教職を辞めるそうです。
昨年7月に結婚式を挙げ、その際(2016.07.11「花嫁になる若き女性への手紙」~幸せになりなさい)という表題でこのブログに紹介した娘です。
シーナの友達として、私たち夫婦とも長い付き合いになります。何度も我が家に泊りがけで遊びに来て、教員になったと聞いたときは心から喜んだものです。
【エリカ、教員やめるってよ】
才能のある女性で教員としての務めも十分に果たしていたようですが能力のある分、教員生活は物足らなかったのかもしれません。夫君の転勤を機に一気に生活を変えるつもりのようです。ただ、就職の際に私が飛び上がって喜んだことを覚えていたのか、、あるいは私がこの仕事に格別の誇りを持っていることを意識してのことか、
「シーナのお父さん、がっかりしないかな?」
ととても気にしているようです。
それに対してシーナは、
「ウウン、お父さんだったらきっと、エリカが早くお母さんになることの方を喜ぶと思うよ」
――それは半分あっていて半分不正解です。
何かに際立った才能があって他の道に進むのなら仕方ありませんが、普通に働いていく上で、教職以上にやりがいと価値のある仕事を私は知りません(もちろん他にもあるはずですが、単純に“知っているか知らないか”という意味で“私は知らない”のです)。
それほど大事に思っている教職という仕事が、軽々と捨てられるのはやはり悔しいですね。
しかし「お父さんだったらエリカが早くお母さんになることの方を喜ぶと思う」というシーナの回答もその通りで、エリカは一刻も早くお母さんになるべきだとやはり思っています。
若くて妊娠がほとんどオートマチックな時期というのはそうは長くないのです。二人三人と考えると時間的にも限られます。できれば一刻も早く母親になるのがいいい――。
そうなったらまた、夫婦で手づくりのお祝いをプレゼントしようと思います。
【朝から幸せ】
NHKの早朝のニュース番組「おはよう日本」の女性アナウンサーのお腹が二か月ほど前から急に大きくなりはじめ、今や立派な妊婦姿になっています。
中村慶子という人で顔が細面なので妊娠と知れたのですが、ちょうど一年前の同時刻、お天気キャスターとして活躍していた渡辺蘭さんは元々の丸顔がどんどん膨らんできた感じもあって、ネットの一部では急激に太ったのか妊娠なのかと議論になりました。
結局4月になって、「8月からは三人の生活が始まります」という挨拶を残して番組から消えてしまいましたが、そのあと気持ちはずいぶんあとを引き、5月、6月と「いまはどんな具合かな?」と想像し、8月には「そろそろ生まれたかな」などと勝手に想像を膨らませて楽しんでいました(その後忘れてしまいましたが)。
もしかしたら若い人にはない感じ方かもしれませんが、妊婦の丸々とした姿は私たちを幸せにします。そのひとの近未来が見えるからです。
子が生まれ、あたふたとし、寝返りを打ったといっては喜びズリバイを始めたといっては楽しむ(あるいは寝返りしないといって不安になりズリバイの予兆もないといって落ち込む)、それらすべては人生のほんの一部分、二度とない時間、子が二人いてそれぞれ三年、計6年としても80年に及ぶ人生のなかのたった8%にもなりません。
今、振り返っても、私の最も充実した幸せな時間は、二人の子が乳幼児と呼ばれたあの時期にありました。
今や「早く結婚しなさい」「赤ちゃんは?」は親が言ってもセクハラの時代です。
だから軽々に口にできませんが、可能なら、早く結婚して、早く親になるべきだと、老爺は心から思うわけです。