「火傷のこと」~火傷予防と正しい処置(油火傷は特に注意)

 京都府福知山市の花火大会での露店商爆発事故、死者が3名になり、なおお二人が重傷とのこと、楽観を許さない状態のようです。

【ガソリン携行缶の扱い】

 ガソリンの携行缶を扱う際の注意、

  1. 暑いところへ置かない、
  2. 給油するときはエンジンを止める、
  3. 熱源から離れたところでエア抜きをしてから給油する等

は常識のはずですが、露天商はどのひとつも守っていなかったようです。
 携行缶はエンジンの排気口近くに置かれていたようで、炎天と排気に暖められ、おそらくパンパンに膨れ上がっていたはずです。それを開ければ危険なことは一目でわかったはずなのに―知識がないことはしばしばそれだけで罪悪です。

 

【息子に大やけどをさせてしまった】

 息子の1歳の誕生日直前に、大きな火傷を負わせてしまいました。新築の家で買ったばかりのテーブルに、少し恰好をつけてテーブルクロスをおいたのが間違いでした。つかまり立ちを始めたばかりの息子が、テーブルクロスを引っ張りながら倒れ、上に乗っていた入れたてのコーヒーを肩から被ってしまったのです。
 すぐに抱き上げて台所へ連れて行き、水道水をかけたのですが、かけ始めてすぐにわかったのは、どの範囲までコーヒーを被ったのか、半身濡れ鼠になると見えなくなってしまうということです。そこで服を脱がして調べようとしたのですが、かえってそれがいけませんでした。皮膚の一部が服にくっついてべろっと剥げてしまったのです。

 無知はしばしばそれだけで罪悪です(テーブルクロスのことも含め)。
 しかたないので服を戻し、それから今は市民病院となった当時のA病院に連れて行ったのですが、救急にはすでに先客があり、別の病院を紹介されてしかたなくそちらに向かおうとして・・・そのとき、処置室から看護士が走ってきて急に診てもらえることになりました。あとから知ったのですが、それは“先客”が亡くなったからできたことでした。

 皮膚のしっかりしている部分には軟膏状の薬を塗り、剥げたところには人工皮膚を当て、包帯でぐるぐる巻きになって息子は出てきました。痛いのか、いつまでもビービ―泣いています。医師からは「赤ちゃんは勝手に包帯を取ろうとしますから、靴下を手袋のようにつけ、靴下手袋で過ごさせなさい」と言われ、帰ってそのようにしました。それを見た3歳の娘が、「サッくん、ネコの手になったね」といったのが、可笑しくも哀れで、切なかったのを覚えています。

【火傷の正しい処置】

 さて、火傷をさせてしまったことは別として、その後の処置としては何が正しかったのか。
 流水で冷やしたのは正しかったようです。ただし勝手の流しではなく、浴室のシャワーで冷やせばもっと広範囲に大量の水をかけることができました(あとから知ったことですが、氷で冷やすと血管が収縮して血行が阻害されるので、してはならないことのひとつになっているようです)。

 服を脱がそうとしたのは間違いでした。どんなに傷んだ皮膚でも、傷を覆っている間は雑菌から体を守ってくれます。医師に任せれば、もっとうまく布を剥いでくれたはずです。

 診察室でオロオロする私たちを安心させるためもあったのでしょう、医師はこんな話をしてくれました。
「煮えたぎった食用油を被ったというような話でない限り、おおごとになることは稀です。これが油だったら、すぐにも救急車で連れてきてもらう必要がありました」
 これで知恵が一つつきました。もちろん被った範囲にもよりますが、油の火傷の場合は皮膚のレベルを越えて筋肉や血管も侵しますから、事態は圧倒的に深刻なのです。救急車を呼び、到着するまで、どんなに子どもが嫌がろうが水をかけ続けることが大切です。

 幸い、今日までこの知識を使わずに済んでいますが、万が一の際にはきっと役立つと思っています。