カイト・カフェ

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「支え合おう」~不祥事を起こす教員を出さないために

 昨年4月、強制猥褻事件(痴漢)の被告である63歳の大学教授が、最高裁で無罪を勝ち取り、重大な冤罪事件として評判になったことがあります。そのときの記者会見で、3年ぶりに疑いを晴らした教授が「私にそのような性向があるとしたら、この歳までに一度や二度は捕まっていたはずではないか」といった発言をしていました。説得力ある内容かと思います。

 さて、昨年暮れの新聞に、児童の旅行貯金を横領した50歳の教諭が処分されたという記事が出ていました。私の元同僚で、若いころはとても誠実な印象を与える人でした。会わなくなって20数年間、その間に何があったのでしょう。

 もともとそういう人だったかどうかは覚えていません(印象としては違います)が、金銭にだらしない人が同じことを繰り返してきて今回やっと捕まった、というならそれはそれでかまいません。

 さっさと捕まって罪を償うべきです。しかしこの歳になって初めて手を染めたというような話だったら、由々しきこととして別に考えなくてはならないことがあるように思うのです。

 思えば他にも、新聞紙面を飾るような教員の不祥事を見ていくと、驚くほど年配の教師の事件が後をたちません。その人たちは今日まで何をしてきたのでしょう。その歳になってふっと真面目で前向きな生き方を止めてしまった、どうなってもいいやと思う瞬間があったのではないかと、そんなことを心配しているのです。

 私たちを支えるのは私たちだけです。お互い気持ちのよい職場をつくり、互いに励ましあって苦しいことを乗り切っていくしかありません。

 それだけが仲間を救う唯一の道だと思うのです。