カイト・カフェ

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「あ、ChatGPTってこういうものか」~私はChatGPTに取って代わられないだけの文章を書いて来たのか③  

 取り合えず現段階でChatGPTは人間には勝てない。
 知識は山ほどあるはずなのに、うまく引き出せない。
 あまりにも多く過ちを犯すし、回答はそっけない。
 しかしもしかしたら、それは扱い方が悪いからかもしれないのだ。
という話。(写真:フォトAC)

【やはりまだ人間に勝てない】

 昨日の、
「中学生に5月を紹介する1600字ほどの文章、私 vs. ChatGPT」
 私の勝利ということでよろしいでしょうか。
 
 とりあえずChatGPTの、
『5月3日は「憲法記念日」として、日本国憲法が公布された日を記念しています』
は誤りで、5月3日は日本国憲法が施行された日で公布の日ではありません(公布は11月3日)。
 また「藤まつり」は奈良・京都に特徴的なものではなく、全国で広く行われているものです。Rakuten Travelの特集「春の絶景!美しい藤の名所・藤まつり2023年」を見ても奈良からは春日大社神苑・萬葉植物園、京都からは鳥羽水環境保全センターと城南宮の二か所しか紹介されておらず、藤の名所という印象もありません。

 ChatGPTはまだ成長のとば口に立ったばかりだそうですから今後こうした間違いは少なくなっていくと思いますが、AIですから本来は間違えてはいけないのです。「間違ったっていいじゃないか」は「人間だもの」にしか繋がりません。

 ChatGPTは文章を長く書かせれば書かせるほど無理の絞り出して、間違ったことつまらぬことを言い始めます。ですからいまのところ800字を越える文章を書かせると人間には勝てないのです。

【文章には個性がある】

 文章全体の印象もかなり違ったものになっています。
 それがいいかどうかは別として、私の文章は知識満載、教える気満々です。こんなに一気に与えたら頭に入らないだろうと思うかもしれませんが、「書いた知識の10分の1でも頭の隅に入ってくれたら御の字だ」くらいの気持ちでいます。もちろん「与えすぎるとひとつも入らない」という頭の構造についても知らないわけではありませんが、言いたくてしょうがないのです。それが私の個性です。

 月の和名に対するこだわりも私らしいものです。
 女の子の「さつき」という名前を聞いたら5月生まれを疑っていいし、逆に5月生まれ以外の子に「さつき」と名づけるのはちょっと考えた方がいい――こういったことは日本人の民族性に関わることですので知っていることが必要です。もちろん理解したうえで無視するのはかまいません。
 「となりのトトロ」のサツキとメイ姉妹は同じ「5月」を和名と英語名の言い換えに過ぎません。何か意味があるのでしょうか――、そういったことにも話は広がって行きます。それが私の願いなのです。

【あ、ChatGPTってこういうものか】

 一方、ChatGPTの文章に個性はあるのかというと、なかなか説明しがたいところがあります。
 「個性」はいわば「癖」とか「こだわり」とか、そこから来る「偏り」みたいなものですから、例えば督促状が個性的である必要はないのです。様式のあるものについてはそのまま拾い出してくれればいいだけです。

 しかしChatGPTにラブレターを書いてもらうとしたら没個性では勝負になりません。それなりの情報を与えてより個性的に書いてもらう方が勝算は高まるでしょう。ただしその個性はChatGPTの個性ではなく、情報を与えて依頼しているこちら側の個性になるはずです。

――と、そこまで考えて、ようやくこの辺りからChatGPTのバカにできない可能性が見えてきます。

(この稿、続く)