【御嶽海の口上】
一昨日(26日)、日本相撲協会は初場所で3度目の優勝を果たした御嶽海の大関昇進を決めるとともに、伝達式を行いました。
注目の口上は面倒な四字熟語を使わないあっさりとしたもので、以下のようになっています。
「謹んでお受けいたします。大関の地位を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道にまい進してまいります」
素直な良い文だと思いました。
「大関の地位を汚さぬよう」と「相撲道に邁進します」はいわば定番みたいなものですが、間に挟まった「感謝」と「持ち味を生かして」には、特別なものがあったようです。
「感謝」は中学校時代の恩師の教えで、「感謝の気持ちを忘れないで相撲をとりなさい」というのを、大学に行ってもプロになっても言われ続けため、恩返しのつもりで晴れ舞台の言葉に選んだそうです。
注目の口上は面倒な四字熟語を使わないあっさりとしたもので、以下のようになっています。
「謹んでお受けいたします。大関の地位を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道にまい進してまいります」
素直な良い文だと思いました。
「大関の地位を汚さぬよう」と「相撲道に邁進します」はいわば定番みたいなものですが、間に挟まった「感謝」と「持ち味を生かして」には、特別なものがあったようです。
「感謝」は中学校時代の恩師の教えで、「感謝の気持ちを忘れないで相撲をとりなさい」というのを、大学に行ってもプロになっても言われ続けため、恩返しのつもりで晴れ舞台の言葉に選んだそうです。
また「持ち味を生かし」は第28代木村庄之助(故人)の言葉で、御嶽海の母校に今もある石碑には「自分の持ち味を生かせよ」という言葉で彫られているそうです。相撲部が全国大会で団体優勝したときの記念として建てられたもので、相撲部員は毎朝練習の前に、これを磨いてから稽古を始めると言います。
自分の揮ごうした言葉が、ずっと御嶽海を支え続けたと知ったら、天国の木村庄之助さんもさぞかし満足でしょう。
自分の揮ごうした言葉が、ずっと御嶽海を支え続けたと知ったら、天国の木村庄之助さんもさぞかし満足でしょう。
【意外と心の中に生きている格言】
こんなふうに学校で覚えた名言・格言を、生涯の座右の銘とする児童生徒は案外と多いものです。
私自身の話ではありませんが、教え子の厄年の同窓会に招かれたとき、学年主任のクラスだった元生徒が、実行委員長挨拶としてこんな言葉をさしはさんだことがありました。
「『蓬(よもぎ)、麻中に生ずれば、扶(たす)けずして直し』(*)という先生の教えは、今も私たちの・・・」
原稿も見ずに滔々としゃべる姿を見て、私は心の中で小さく「しまった」と呟きました。私自身はこうした格言の大切さを知ったのがずっと後で、自分のクラスにはそうしたものを授けてこなかったからです。
*くねくねと曲がりやすいヨモギも、まっすぐに生え育つ麻の中で成長すればおのずからまっすぐに育つ。それと同じように、みんなで支え合うことが、よりよく育つことに繋がるものであるという意味。「麻中之蓬(まちゅうのよもぎ)」も同じ。
私自身の話ではありませんが、教え子の厄年の同窓会に招かれたとき、学年主任のクラスだった元生徒が、実行委員長挨拶としてこんな言葉をさしはさんだことがありました。
「『蓬(よもぎ)、麻中に生ずれば、扶(たす)けずして直し』(*)という先生の教えは、今も私たちの・・・」
原稿も見ずに滔々としゃべる姿を見て、私は心の中で小さく「しまった」と呟きました。私自身はこうした格言の大切さを知ったのがずっと後で、自分のクラスにはそうしたものを授けてこなかったからです。
*くねくねと曲がりやすいヨモギも、まっすぐに生え育つ麻の中で成長すればおのずからまっすぐに育つ。それと同じように、みんなで支え合うことが、よりよく育つことに繋がるものであるという意味。「麻中之蓬(まちゅうのよもぎ)」も同じ。
【格言は学校に溢れている】
考えてみると人が成長するうえで大切な格言というのは、学校の敷地内に満ち溢れています。それらは御嶽海と同じように石碑の形で、あるいは扁額の形で、さらには学校教育目標の中に忍ばせる形で、いくらでもあるのです。
ちょっと調べただけでも10や20は上げられそうですから、全国の学校を当たれば相当な数になるはずです。
私は教員生活の最後の方で、異動するたびに石碑や扁額の意味を調べるのを常としました。先生も子どもも忙しい日常を送っていて、意外と見ていないからです。また私にも読めない文字があったりして、誰かが調べないと忘れ去られてしまう、ということもありました。
読み方や意味を調べて小さくまとめ、美術館の作品横にある説明書きのように掲示しておくとのちのちまで役に立ちます。
担任の先生はそこまではしなくてもいいと思いますが、校内にある格言のひとつかふたつ、調べて子どもたちに教えておくと、御嶽海のように生涯たいせつにする子も出てくるかもしれません。
(参考)今、ちょっと思い浮かべたり調べたもの
- 格物致知(かくぶつちち)
物事の本質を追求し、知識や学問を深める。 - 韋編三絶(いへんさんぜつ)
何度も繰り返し本を読むこと。また、熱心に学問すること。 - 蛍雪之功(けいせつのこう)
苦労しながら学問に励むこと。また、苦学した成果。 - 切磋琢磨(せっさたくま)
仲間同士でお互い励まし合い、学問や仕事に励むこと。 - 百花斉放(ひゃっかせいほう)
学問・芸術が盛んに行われること。 - 温故知新(おんこちしん)
昔の事をたずね求め(=温)て、そこから新しい知識・見解を導くこと。 - 質実剛健(しつじつごうけん)
かざりけがなく、まじめで、強く、しっかりしていること。 - 花意竹情(かいちくじょう)
花のように気高く優しく、竹のようにしなやかで 真っ直ぐな心を持つこと。 - 耐雪梅花麗(ゆきにたえ ばいかうるわし)
厳しい雪に耐えてこそ、可憐に匂い立つ梅の花は美しく咲く。 - 和顔愛語(わがんあいご)
和やかな顔と思いやりある言葉で人と接しましょう。 - 一期一会(いちごいちえ)
その人と会っているこの日この時は二度と来ない、そういった覚悟をもって人と接しなさい。 - 日日是好日(にちにちこれこうじつ)
毎日が良い日である。そんなふうに日々を受け入れて行きなさい