カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「緊急事態宣言下で頑張っている人たちを褒めてあげたい」~今日は節分、感謝を込めて

 今日は節分。今後は4年に一度ずつ、2月2日が豆まきの日になるという。
 新型コロナの新規感染者も、ここにきてずいぶん減ってきた。
 医療関係者はもちろん、飲食・観光・娯楽業関係者の人や一般の人たち、
 殊に若者が頑張ってくれたからだ。
 みんなに感謝し、褒めるべきところは褒めて、静かに追儺の夜を過ごしたい。

という話。

f:id:kite-cafe:20210202065834j:plain(写真:フォトAC)
 

【格言カレンダー:今月の言葉】

 私の家のトイレには格言カレンダーと言っていいようなものが飾ってあり、毎朝それを見ながらじっくり反省し、用を済ませて出た後の生き方を考えたりしています。誰の言葉か分かりませんが、先月は、
「日常の生活を感謝の心で暮らせることが真に豊かな生活である」
でした。ハイ、私は豊かな生活を送っております。
f:id:kite-cafe:20210202065942j:plain

 さて、昨日は月替わりでしたので、朝、入る際に1月分をペロンと外して新しい月にしてから便座に腰を下ろしました。目の前にある今月の言葉は、
「褒められるより批判される言葉にこそ自分の真の姿がある」
です。そして考え込んでしまいました。
 ホントかな?
 

【褒めるのはけっこう難しいぞ】

 「巧言令色鮮し仁(コウゲンレイショクスクナシジン:巧みな言葉を用い、表情をとりつくろって人に気に入られようとする者には、仁の心が欠けている)」とか言って、褒める言葉の中には仁も真実もないということかもしれませんが、そんなことを言ったら学校の先生などは児童生徒に対して仁もなければ真実もないことになってしまいます。もちろん叱ったり怒ったりすることも多いのですが、先生たちは自分たちの仕事を「子どもの良いところを見つけて褒めること」だと思い込んでいるからです。

 学校ばかりではありません。最近ではビジネス書にも「部下の褒め方」みたいなものがたくさんありますし、若者の中にも「ボク! 褒められて育つタイプです!」みたいな人がいっぱいいたりしますから、大人たちも年少者を褒めるよう心掛けているはずです。でも何でも褒めればいいというものではないでしょう。

 容姿に屈折した気持ちを持つ人に「キミは、いわゆるイケメンだね」みたいなことを言えば、それは皮肉かイジメか、はたまた言った上司が変なおじさんか妙な下心があるのではないかと勘ぐりたくもなります。心底からのものであっても不用意に容姿・しぐさ・言葉遣いを褒めたりすれば、特に相手が女性の場合、現代ではセクハラ扱いとなります。

 人には褒めてほしいこと、褒められたくないこと、密かに気づいてさりげなく言ってほしいこと、大げさに褒めちぎってほしいこと――いろいろあるのです。それを的確に判断して言わなくてはならないのですから上司も大変です。
 しかしそこまでやってきちんと褒めてくれる上司の言葉には、仁も真実もたっぷり含まれているはずです。

 

【批判に真実がないこともある】

 逆に批難の言葉こそ、真実でないものが含まれていることだってあります。お門違いもあればそもそも誤解から始まっていることもあります。

 私たちはしばしば勢い余って言いすぎてしまい、国会議員の蓮舫さんみたいにあとからツイッターで謝りたくなったりすることもあります。批判の言葉は刃(やいば)ですのでついつい研ぎ過ぎてしまうこともあるのです。言いすぎて結局、自分の方に戻って来てしまうことを自滅の刃と言ったりします。

 私は元教師ですので、今でも人を褒める方向で心が動きます。
 ひとを批難したあとは特に相手の良いところを探そうと努めます。その場ですぐに言えばとんだ弥縫策ですが、覚えておいていつか使って均衡をとろうと思ってのことです。
 現実としてはむしろ逆で、いつか批難したり怒鳴り上げたりする日が来ないとも限らないので、日ごろから褒めたり親切にしたりしておこうと、そんなふうに心がけています。
 そういうことで、今、一番気になっているのは東京都のコロナ感染事情です。
 

【褒めればいいじゃないですか!】

 先月、私はイライラして「何をやってるんだ東京!」みたいな文を書きました。 あれから一カ月弱、状況はずいぶん変わりました。テレビのニュースでも先週末あたりから認め始めましたが、明らかに感染拡大は抑制の方向に変わっています。まず陽性率が下がり始め、続いて実効再生産数が各都道府県で1を切り始めています。kite-cafe.hatenablog.com 私はその間、毎日振れ幅の大きい新規感染者数ではなく、条件の同じ曜日ごとの記録(月曜日なら月曜日、火曜日なら火曜日)の変化を見てきました。それによると東京は、1月12日から31日までの20日間で、前の週の同じ曜日より人数の増えた日は1月17日と18日の二日しかありませんでした。あとは一貫して減り続けているのです。しかも17日と18日の一週間前(10日と12日)は、成人の日を含む3連休がらみで検査数が少なく、だから1週間後の感染者数は増えざるを得なかっただけなのです。
f:id:kite-cafe:20210202070445j:plain その傾向は他の府県も同じで、大阪府や愛知県などは前週の同じ曜日を越えたのはたった1日しかありませんでした。

 直近一週間の新規感染者数(10万人あたり)も、下のグラフの通り急速に減っています。f:id:kite-cafe:20210202070509j:plain(線は数の多い方から青が東京都、オレンジが神奈川県、黄色が千葉県、あとは埼玉県、大阪府、福岡県などがほぼ同数です)
 これだけ頑張っているのですから、政府もマスコミも褒めればいいじゃないですか!

【特に若者と飲食業者を褒めたい】

 NHKのニュースでは金曜日に、「東京都では高齢者の割合が2割を超え」と言い、日曜日には「3割を超えた」と言っていましたが、これは高齢者の間で急激な感染拡大が進んでいるからではありません。東京の急激な感染抑制が主として若年層によるものであって、相対的に高齢者の割合が増えているのです。

 あれだけ「若者の間で感染が広がっている」「若年層が感染拡大の主体」と腐してきたのです。その若者の間で感染拡大が押さえられているとしたら、今こそ褒めるときでしょう! 今、褒めなくていつ褒めたらいいのです?

 それはもちろん若者の間で感染が押さえられているのはカラオケボックスや居酒屋や、スナックや料理屋が一斉に時短をして耐えてくれているからでしょう。行き場所がないから仕方なく家で静かにしているという、単純にそれだけのことかもしれませんが、それでも褒めるべきです。褒めるときに褒めておかないと、怒るときにも存分に怒れません。

 営業時短に協力してくれた飲食業の方々にも、感謝とともに深々と頭を下げなくてはなりません。田舎の片隅の私なんぞが頭を下げても大した影響力はありませんから、私たちの代表者である菅総理を初め、政府の人々が、そして毎日ああだこうだ言ってきたマスメディアが、深く頭を下げて感謝の気持ちを表さなくてはいけないと思うのです。そうでもしなければ、誰がまた次の時に頑張ろうと思います?

 

【今日は節分、感謝を込めて】

 さて、今日は節分。追儺(ついな)、鬼遣(おにやらい)とも呼ばれる厄払いの日です。
 2月2日が節分になるのは124年ぶりだそうで、これから2057年までは4年に1回、閏年アメリカ大統領選挙夏季オリンピックの年)の翌年の節分が2月2日になります(2058年以後は2月2日が2年続いて2月3日が2年続く繰り返しになる)。

 今夜はマメを撒いて鬼とコロナを打ち払い、医療関係者はもちろんのこと、緊急事態宣言下にある都道府県の飲食・観光・娯楽・その他、我慢を強いられた企業・業者の方々、地域の人々、そして特に若者感謝しながら、静かな夜を過ごしたいと思います。