「夏休みの廃止、教師は渋々、親は大歓迎」~教員の働き方改革に万民が納得する解決策を見つけた!②


 仕事も減らせず、人員も増やせない。
 そんな条件下で教師の労働負担を軽くするため、
 1日の授業を上限5時間として、その代わり不足分を夏休みに行うことを考えた。
 残業手当を出すことも含めて、普通のサラリーマンと同じ条件にするのだ。
 それで受け入れられるか。

という話。 f:id:kite-cafe:20211116065553j:plain(写真:フォトAC)

【教員は簡単には受け入れないだろう。だがやる】

 学校の夏休みをなくすと聞かされて一番抵抗の大きいのは教員でしょう。長い夏休みがあるから教員になったという人も少なくないからです。経験の浅い先生はともかく、ある程度長くやっているといい意味でも悪い意味でも現状に慣れ、苦しいなりに何とかできるようになるからです。
 仕事の大変さに、
「自分の子どもにはこの仕事はさせられないな」
と、ある程度客観的な見方はしていても、今さら大きな制度変革は望んでいません。
 しかしそうした先生方でも、児童生徒の下校時間を繰り上げて事務仕事の時間を確保し、それでも足りない分は時間外手当を出すと言われれば、少しは心も揺らぐでしょう。

 今や教員不足は目に見える形で現場に入り込んでいます。「療休や退職によって担任のいないクラスが三つもあって補充が効かない」「採用試験の倍率が2倍を切った」という状況を見れば、多少苦い薬を飲むことになっても教育現場をもう少し働きやすいものにしなくてはならないという理屈も分かるはずです。この人たちだっていつか管理職になるのかもしれないのです。その時になっても「教師の手配がまったくつかない」状況が続いていたのではかないません。ですから黙って受け入れます。

 もっともこれまでの教育改革で現場の声を聞いたことなど一度もありませんから、今回だって聞く必要はありません。日教組もすでに組織率21・3%(2020年10月現在)、それも半分以上は親睦体みたいのものです。文句を言う人はいませんから恐るに足りません。

【保護者は拍手で歓迎するだろう】

 保護者はほぼ確実に反対しません。むしろもろ手を挙げて歓迎します。
 学校五日制完全実施以来、放課後の児童・生徒の居場所はかなり拡充してきました。学童保育は全国を網羅し、スイミングスクールなどのスポーツ教室や学習塾も行き届いています。そうした企業にとって、下校時刻が1時間繰り上がるのは収入が豊かになる話ですからすぐに対応してくれるでしょう。

 保護者にとってのメリットは、何といっても夏期の子どもの始末に頭を悩ませなくても済むことです。学童保育があるとは言っても高学年以上は預かってもらえませんし、朝8時以降保護者が直接連れてこいといわれても、勤務の関係でものすごく難しい家も多かったのです。学校だったらいつも通り子どもだけで登校させることもできますし、7時前に校地に置き去りにしても先生たちは文句を言いません。

 さらに幸せなのは、学校があると昼食に頭を悩ませなくて済む点です。朝晩の献立を考えるだけだって悩ましいのに、夏休み中は三食用意しなくてはならなかったのです。学童保育など行くところのある子は弁当ですが、この「弁当」というもの、ひとによっては死ぬほど嫌いです。他と比べられますから。
 他の保護者が覗くわけではありませんが、子どもは口性(くちさが)ありませんから、すぐに言いつけるのです。
「◯◯ちゃんのお弁当ね、今日はチャーハンだけだった」

 そんなことから、新型コロナの感染拡大の真っ最中ですら――そして大人数の会食が制限されているにもかかわらず、わざわざ給食だけのために児童を登校させた自治体もあったほどです。

kieth-out.hatenablog.jp 「子どもの下校時刻が早まります、その代わり夏休みも学校を開きます」と言えば一瞬躊躇するかもしれませんが、「給食が出ます」と付け加えればすぐに受け入れてくれるはずです。
 では他の人々はどうでしょう?

(この稿、続く)