「ワクチン接種のドタバタと泥縄、朝令暮改」~母のワクチン接種で思ったこと①

 94歳になる母の、新型コロナウイルス・ワクチン接種。
 月初めに予約をして第一回接種に行ってきた。
 さまざまに伝えられているが、
 案の定、予約は大変だった――

という話。

f:id:kite-cafe:20210520071324j:plain(写真:フォトAC)

 

 

【ワクチン接種が始まった】

 ここのところニュースと言えばあい変わらず新型コロナとワクチン接種ですが、間もなく94歳になる母についてはすでに1回目の接種を終え、月末に2回目を打つ手はずになっています。

 今回は75歳以上が対象者で、それより若い65歳~74歳の枠に入る私は、今月半ばから予約のできる予定だったのですが、全国的にそうであるように、私の住む市町村でもトラブル続きで、結局、来月に延期されたようです。
 それはそうでしょう。母の分を予約した時点で、「こりゃダメだ」と感じることがいくつもあったからです。

 

 

【予約の日】

 その朝は9時からの予約に備えて、私と妻はそれぞれのコンピュータのデスクトップ上に、予約サイトの画面と自分のアカウントのLINE画面を同時に開き、傍らにスマホを置いていつでも電話をかけられるようにして待機しました。つまりWebとLINEと通話予約を二人で同時に行う「入り口6か所作戦」で戦おうと考えたのです。

 そして9時ちょうど、コンピュータの右下の時刻表示が9:00を示すと同時にWeb、LINE、通話と、それぞれボタンを片っぱし押すと、まずLINEが素晴らしい速さで「ただいま混みあっています」を返し、スマホが「お話し中」の発信音を鳴らし、Webが「ただいま混みあって~」を表示します。

 通話の方はいったん回線が塞がってしまうと細かなやり取りがありますから、5分以上は空きそうにありません。そこでLINEとWebのボタンを交互に押すのですが、LINEは「おい、ホントに確認しているのかよ?」と言いたくなるような素早さで「ただいま混みあって~」を繰り返してくるだけ、Webの方はちょっと迷いながらも「ただいま混みあって~」。
 そんなことをLINEで10回ほど、Webで5~6回繰り返したところで、Webが侵入に成功します。

 急いで母の接種番号と生年月日を打ち込み、「次へ」のボタンを押すと希望接種会場の選択窓が現れるのですが、これが動かない。一か所が表示されているだけでプルダウンのリストが出てこないのです。自宅からは最も遠い会場ですが同じ市内です。もたもたして希望の日時が取れないよりはマシなので「OK]を押して「次へ」!
 すると驚いたことに初日のほとんどの枠が空いているのです。計画は別の日でしたが早いに越したことはないので初日の午後一番にチェック! 通過! よし! 「次へ」!
「2回目の予約をしてください」「次へ!」
 すると最初のページに戻ってしまって「ただいま混みあっています」!
 マジか?
 これで2回目が予約できなかったらどうするんだ?

 そこでまたLINEとWebの乱れ打ち、やがて再びWebから侵入成功。カレンダーのページに進むと5月中はほとんど「×」になっています。幸い第一回接種日の3週間後の同じ曜日、同じ時間に空きがあったのでプッシュ! 動かない、プッシュ! 動かない――そんなことを繰り返し、もうメチャクチャに近くを押しまくっていたら、翌日(3週間と1日目)にスコンと入り込めました。
 これで一件落着です。しかし一息ついてから、さまざまなことに首を傾げました。

 

 

【問題点と泥縄対応・朝令暮改

 まず、なぜ会場の選択ができなかったのか――。これについてはあとで知ったのですが、コンピュータや通信の不都合ではなく、接種会場に偏りが出ないよう、予めコンピュータの方で強制的に振り分けたようなのです。接種の日、会場で会った知り合いに聞くと、その人は夫婦で同じ日時の、しかし別会場だとのこと。ひとりずつの予約なので一緒にはできなかったみたいです。

 75歳以上となるとほとんどが家居。時間的には余裕がありますし、よほど近くないと歩くのを嫌がる人ばかりです。自身が運転したり送り迎えをしてもらうことに慣れた人たちですから、会場指定もあまり問題はなさそうです。
 しかしそうなると2回目の接種だって会場や時間を強制的に決めてもよさそうなものです。1回目接種から3週間後の同じ曜日の同じ時間、それで一向にかまわないのに、2回目まで選ばせたことで私のようにミスをして違う日時に入れたり、さまざまな用事を勘案して適当なところに入れたり――そうすると、あちこちに空きや重複が生れ、うまく埋まって行かないのではなか――そんなふうにも思いました。

 夕方のニュースを見ると案の定、電話が通じない、ネットが繋がらない、そのうち「本日分の予約は終了しました~」。
 私の家は予約が取れたからいいものの、さんざん苦労してからの「本日の分の予約は~」ではかないません。ニュースの画面を見ると電話受付の分は受信の担当者が私と同じコンピュータの画面を見て打ち込んでいるだけ――いわばネット予約の代行業みたいなもので、なるほどこれでは繋がらないわけです。しかもそもそもワクチンは75歳以上が打てる分の五分の一も用意されていなかったのです。
 これではだめに決まっています。

 そこで翌週から始まるはずだった65歳以上74歳まで予約は来月以降に先送りして、とりあえず75歳以上全員のワクチン接種を果たしてから、ということになりました。電話受けつけもネット予約とは別に時間を設け、コンピュータもサーバーを別にしたそうです。1日目の予約をすれば自動的に3週間後の同じ曜日時刻に2回目が入るようにもなりました。
 とんだ泥縄、朝令暮改です。

 ただ、私は怒っていません。泥棒を捕えてから縄をなうようでは遅すぎますが、だからと言ってせっかく捕らえた泥棒を放逐されても困ります。朝令暮改をさけるために「一度出した命令はどんな困難があっても変えない」でも困るでしょう。
 さらに私には別の思いもあります。

(この稿、続く)