カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「賢さも品性もない人が頂点にいる不思議」~子どもが真似しますよ 

 「それ、絶対にアカンやろ」と、
 関西弁をもってしか表現できない呆れたできごと。
 なぜ為政者の中にあんな人が混じっていたのだろう?
という話。

f:id:kite-cafe:20210514075627j:plain
(写真:フォトAC)

 

【頂点は賢く清廉であるべき】

 ある意味で私は熱烈な民族主義者ですから、日本人そのものや、日本人の行うことを肯定的に捉えがちな傾向があります。また父も弟も公務員で私自身や妻も教育公務員ですからその世界は良く知っていて、どの分野も、各省庁も都道府県庁も、市役所・町村役場も、保健所も児童相談所も税務署も警察も消防も、みんな真面目に一生懸命働いていると信じています。もちろん日本人である以上、会社員も自営業の人々も、大多数はまじめに一生懸命働く人たちだと信じて疑いません。

 ただし、だからといっていい加減な人やふしだらな人、人を騙しても平気な人などがいないわけでもありません。日本は、そうしたダメな人、うまくいかない人も寛容に抱えて、なんとかエッチラオッチラやっている国だ、そんなふうに思っています。
 しかし「どんな場所にもダメな人、うまく行かない人はいてもいい」というわけにはいきません。為政者、特にその頂点に立つ人たちは、少なくとも表向きは賢く清廉でなくてはならないとも思っています。

 

 

【どういう判断なのか、全く理解できない】

 その点で、最近ちょっとびっくりしたのは福岡県知事です。別に悪い人ではないと思いますが、今月7日、新型コロナウイル感染緊急事態宣言を出すに際して、
「国が広域的な感染防止をはかるということで判断し、それを尊重して受け入れざるを得ないと考えた。緊急事態の措置を徹底し、一日も早く脱却できるようにがんばっていきましょう」と呼びかけた。2021.05.08朝日新聞デジタル
と、国が言うからしかたがない、本当にイヤイヤだと、そんな雰囲気が満ち満ちていたからです。

 11日、12日に聖火リレーを控えていて、それを中止するのが嫌だったのでしょうか? それにしても6日・7日の時点で福岡県の感染状況にはタダならぬものがあったはずです。

 下のグラフの主要な都道府県の、直近一週間の10万人あたりの感染者数を示したもので、左が5月7日、右が昨日(13日)のもの、赤い線が福岡県です。

f:id:kite-cafe:20210514075843j:plain


 見ればわかる通り、7日の時点ですでに東京(青い線)を越えて、大阪(水色点線)・兵庫(緑の線)に次ぐ第3位。しかも頭打ちの感のある大阪・兵庫と違って一直線の上昇で、自ら悲鳴を上げていて不思議はない状況だったのです。それにもかかわらず国から言われてようやく重い腰を上げる――。それまで全く気がなかったみたいで、どういう感覚をしていたのかとても不思議でした。優秀なスタッフも揃えているでしょうに。

 

 

【賢さも品性もない人が頂点にいる不思議】

 不思議と言えばこのところ続くコロナワクチンの不正接種も不思議です。
 病院の開設者で毎週の会議にも出ているから準病院関係者だ(兵庫県神河町長)とか、保健センターの開設者だから自分も医療従事者だ(茨城県城里町長)とか、あるいは地域の名士だから(愛知県西尾市)とか――それ、全部ダメでしょ、と普通の感覚ならわかりそうなものです。
 セウォル号の船長じゃあるまいし、真っ先に危機から逃げ出してどうする、と私などは思います。

 新型コロナからは少し離れますが、河合克行元法相の事件も、あんなあからさまな買収がまかり通ると、よく考えられたものだと本当に首を傾げます。私などは自分の妻ですら完全に信じ切ることはできないというのに、100人近い他人に金を配って票の取りまとめを頼み、誰ひとり裏切らない、他言しないとなぜ信じられたのか、その愚かさが理解できないのです。

 政治家として、あるいは地域の名士として、もう少し賢くあってほしい、その欲望も、むき出しにするのではなくカーテンの向こうに隠すくらいの配慮があってほしい、それが品性というものだ、そんなふうに思うのです。

 

 

【子どもが真似をしますよ】

 世の中のたいていのことは程度の問題で、いまや「他人の目を気にするな」という時代だとはいえ、まったく気にせず傍若無人というのも困るでしょう。特に衆目を集めやすい人たちは、少しでも賢く清廉に見えるよういつも工夫し、気を配ってほしいものです。でないと子どもが真似します。
 それにしても変な人が頂点に立っているものです。