カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「おとなだって誉めなきゃ育たないだろ」~緊急事態宣言で頑張っている人たちを誉めろ!

 第三回緊急事態宣言下、第4波感染拡大も減少へと向かってきた様子が見える。
 しかしマスコミも政府も、
 感染対策の甘い部分ばかりをあげつらって、褒めるということをしない。
 それでは国民の意欲も高まらないだろう。

という話。f:id:kite-cafe:20210525070754j:plain(写真:フォトAC)

 

【第4波感染拡大が下降に転じた】

  まだまったく気の許せるような状況ではありませんが、新型コロナ感染第4波が峠を越える気配を見せています。


 NHKのまとめによれば、今回の感染拡大は5月8日の感染者数7236人を最大値とし、昨日は2712人まで落ちてきました。今のままだと第三波の最大値7957人(2021年1月8日)を越えることなく終わりそうです。

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NHK特設サイトより

 上のグラフの鼠色の折れ線は直近1週間の感染者数の平均だと思うのですが、全体の傾向としても、5月13日・14日を頂点として、明らかに下降線をたどっています。
 小池都知事のよく言う、
「今日の数値は2週間前の感染状況を示すもの」
なら、4月30日・5月1日あたりが感染のピークで、そのあとずっと下がってきたことになります。

 大型連休の期間中、湘南海岸では自家用車の渋滞が見られたとか、繁華街の人出が第一回緊急事態宣言の時に比べると十分に減らなかったとか、悪いニュースばかりでしたが数字を見る限り、それなりに日本人はがんばっていたようです。車が渋滞したのも他人との接触を避け、家族だけで過ごそうとした結果だと考えれば納得のできるところかもしれません。これまでとは違って今回は感染力の強いイギリス株とのせめぎあいでしたから、思った以上に良く戦ってきたのです。

 またこれまでと違って背後にワクチン接種という心強い味方がいて、この援軍の到着まで凌げばいいという見通しもありますから、ここが踏ん張りどころです。65歳以上の高齢者はおよそ3600万人で人口の28%ほど。集団免疫が達成されるには60%~70%の国民が免疫を獲得しなくてはいけないと言われていますが、イギリスやアメリカの例をみると40%を越えたあたりから感染は急速に抑えられて行きます。

 繰り返し辛い目に遭っている飲食・観光・興行等の方々は苦々しい限りでしょうが、最後のひとがんばりと思って、耐えていただきたいと思います。

 

 

【おとなだって誉めなきゃ育たないだろう】

 さて、専門家のでもない私がなぜ改めてこんな話をくどくどと持ち出すかというと、結果的に“よくやった”と言える今回の緊急事態宣言を、マスコミや政府・医学界がさっぱり評価しないことに苛立っているからです。なぜ国民を誉めないのか。

 子どもの教育について、特にマスコミは、保護者や教師に「子どもは誉めて育てるものです」みたいなことを平気で言うのに、その実、こころの底では「人間は脅したりすかしたりしないと育たない」と本気で考えているようです。

 一部に「言うことを聞けない人」「聞かない人」「聞いてもできない人」がいるのは小学校の教室も社会も同じです。そのごく少数を完全になくすためには教師の専横か恐怖政治が不可欠です。しかし教師には禁じられていますし、日本はそれができる国ではありません。
 だったら永久に「できない少数を叱り続ける」か「できる大多数を誉めていくか」、ふたつにひとつなのに常に前者が選ばれます。

 昨年5月以来、政府もマスコミも感染が広がるたびに「気の緩み」という言葉を使ってきました。まるで国民に能力がないみたいな言い方です。
 緊張を何カ月も続けることなど、ほとんどの人間にとって不可能なのです。それを最初から織り込んだうえで、それでも頑張ったときは「頑張ったね」と誉めなくてはなりません。教育現場で、教師たちは皆そうしています。
 大人だって同じです。大人だって誉められたいのです。

 

 

【ちょっと気になっていること】

 ただし細かく見て行くと、沖縄県と北海道は今も急激な感染拡大が続いていて、全く予断を許さない状況です。

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 もしそれが巷間言われるように、第二回緊急事態宣言解除以来、ぐんと押し寄せた観光客によってもたらされたものなら申し訳ないことです。
 また沖縄県の場合、関西に先んじて感染拡大が始まり、いったんは抑え込みかけての今回の急速拡大ですから、いまの日本全体も対策を緩めればどうなるかを暗示しているとも言えます。
 もうしばらく、がんばりましょう。