「日本はニュージーランドになれない」~感染拡大第三波の憂いと覚悟③

 新型コロナ感染に関して、台湾やニュージーランドなどを挙げて、
 日本がかくのごとくないことを嘆く人々がいる。
 しかし結果が同じなのにアフリカ諸国や中国・韓国を羨む声は少ない。
 もっともいずれにしろ、日本はかの国になることはできない。

という話。

f:id:kite-cafe:20201126074012j:plain(写真:フォトAC)

 

【私の機械的電光石火の反応】

 昨日、いつもは見ない朝の情報番組を見るともなく見ていたら、テレビ朝日の玉川徹という(社員)レギュラーコメンテータがニュージーランドを引き合いに出して、
「アーダーン首相は毎日のようにテレビで国民に呼びかけ、2度のロックダウンを成功させた。おかげで現在は日に2~3人の新規感染者が出るだけで普通の経済活動を行っている」
というような話をしていました。
 
 私が気になったのはそれに続いて、
「そういう成功例を海外で見ていると、日本は語りかけも全然ないじゃないですか。(中略)国民に対して、『国としてはこうやって抑えます』『もしかしたら皆さんに我慢を強いるかもしれないが、必ず復活させますから』とかあるじゃないですか」
と言っていた部分です。

 私は「外国に比べて我が国は・・・」という言い方をされると電光石火で反応して、知らないことだったら徹底的に調べる性質です。
 
 

【日本はニュージーランドになれない】

 はっきりとは言わないものの玉川氏はかねてから「一度完全なロックダウンをして国内からコロナウイルスを根絶すべき」といった考えをお持ちのようです。しかし現在までロックダウンによってコロナを根絶できた国や地域は昨日お話ししたアフリカ諸国・北朝鮮・台湾・ニュージーランドくらいなもので、いずれも極めて早い段階で始めたから成功したというところに特徴があります。

 例えばニュージーランドの場合、海外からの渡航者を全面禁止にした3月19日までに、国内で発見されていた感染者はわずか20名。ロックダウンを決めた3月26日時点での感染者はたったの205名でした。
 また8月11日、それまで101日間の「感染者ゼロ」が途絶えて4名の新規感染者(おそらく家族)が出ると、その瞬間に人口150万人のオークランドを3週間のロックダウンにしてしまいます。日本にそれができますか?

 ニュージーランドと同じであるためには、我が国は遅くとも墨田川の屋形船での集団感染が発見された2月14日には中国発・中国経由の渡来者を遮断し、韓国の感染者が3000名を超えイタリアでも1000名を突破した2月末には主要な国々との往来を禁止しなくてはなりませんでした。その上で国内の主要な都市も3週間程度のロックダウンにすべきだったのです。
 それさえやっておけば夏の第二波も現在の第三波もなく、感染者・死者ともに現在の十分の一以下で済んだのかもしれません。

 2月末と言えば日本国内の感染者は累計でわずか250名ほど。東京37名、神奈川22名、千葉13名、愛知28名、北海道が少し多くて66名といった程度ですから、海外からの流入がなく、これらの地域のロックダウンによって無症状感染者が封じ込められていれば、ウイルスの根絶など簡単でした。

 しかしそれって、実際にできましたか?
 日本の首相が安倍晋三(当時)ではなくて、ジャシンダ・アーダーンのような優秀な人だったら可能だったと、本気で考える人はどれくらいいるでしょう?
 
 

【テレ朝に乗せられて回り道】

 ロックダウンどころか、2月末に全国の学校の臨時休校を言い出しただけで非難囂々。
 4月に入ってガーゼマスクを配れば「欲しいのは布製じゃなくて紙マスク。アベノマスクに何の意味があるのだ」とまた囂々。先鋒のマスコミはつい2か月前まで「新型コロナにマスクは無意味」と言い続け、数か月後には「紙製・布製どちらにしてもマスクは絶対必要」と言い出す無節操な人たちです。
 とにかく政府のやり方にケチをつけるのがマスコミの仕事と心得ている人も少なくありませんから面倒です。

 早めに手を打てば「その政策にエビデンスはあるのか」と詰め寄り、躊躇していれば「対策が後手後手だ」と非難する――。
 2020年の夏秋がどうなっているかを十分理解している現在でも、2月に遡ってその時点での外国の遮断・ロックダウンが可能かと言うと、私は首を傾げますし、早めに手を打った全国一斉の休校があれほど非難されれば緊急事態宣言の発出が遅れるのも無理はないという気もしてきます。

 玉川徹という人は昔から苦になっていたのですが、そもそもテレビ朝日の炎上商法の先兵ですから、この人について語ること自体が乗せられたことになってしまいます。そこでできるだけ見ないようにしていたのですが、昨日ニュージーランドについて書いたばかりの段階で出てきた発言なのでついつい口を挟みたくなってしまいました。
 おかげで今日は感染者・死者の極端に少ない県――鳥取・秋田・山形・香川・島根等の各県について考えようと思っていたのですができなくなりました。
 しかたない、明日に回しましょう。

(この稿、続く)