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「新型コロナ:現状と世界の無関心、それでも罹りたくない」~ハーヴ、コロナ感染のために入学式に出られない

 新1年生の孫のハーヴが3月末にコロナ感染し、入学式に出られなかった。
 それも可哀そうだが、自宅療養の10日間(家族の待機は8日間)、
 家族全員がカンヅメ状態でほんとうにたいへんだった様子。
 国内も世界も規制緩和へ向かっていく中での厳しい療養生活、
 やはりコロナには罹りたくないものだ。

という話。

(写真:フォトAC)

 

【コロナ感染で孫のハーヴが入学式に出られなかった】

 私の最初の孫であるハーヴが、この4月から小学校一年生になりました。
 生まれたときは新生児仮死で全身紫色、息もしなければ心臓の鼓動もない状態でしたから、まずはここまで来られたことに感謝しなくてはなりません。めでたく入学、しかしこのブログでも少し書きましたが、いよいよ新年度という直前、3月31日の夜に高熱を発し、翌4月1日の検査で新型コロナ陽性と判定されました。この時点で6日の入学式は欠席と決まります。
 同じ保育園の年長組からは他に園児4人職員3人の感染があり、ああこれでこのクラスの子たちは誰も入学式に行けない、と思ったらそうでもありませんでした。

 ハーヴの弟、イーツの在籍する未満児クラスに感染者が出たときは、全員濃厚接触者ということで学級閉鎖となったのですが、兄の場合は発症者だけが登園禁止、したがって卒園した他の子どもたちも入学式に出席できたのです。その違いは何かというと、未満児はマスクができないが、年長児は1日じゅうマスクをしていたから濃厚接触に当たらないというのです。
 マスクをしていれば感染しないというならなぜハーヴや先生たちは感染したんだ? と不満を言いたいところですが、「同じクラスに罹った子がいても、マスクをしていた子は濃厚接触者としない」という不条理極まりないルールでもつくらないと、ずっと休園続きになって親が困る、という現実的な事情があったのでしょう。発症したのが不運というしか言うしかない、これも仕方ないことです。

 

【ハーヴ、隔離に順応する】

 ハーヴは0歳児のころからとても良い子で、親を手こずらせることはほとんどありませんでした。今回も子ども部屋一室を隔離室にして10日間過ごさせたのですが、午前と午後に1時間のYoutube視聴を許可したら、あとの時間は本を読んだりドリル帳をやったり(計算と漢字練習が大好きなのです)、あるいは鉄道のおもちゃで遊んだりとまったく飽きる様子がない。
 風呂も一人で入り着替えも一人でする。食事も差し入れるときちんと食べ、済むと食器をドアの外に出しておきます。食べるのが遅いことが唯一の欠点みたいな子なので、親にやいのやいの言われずに済むひとり飯は、むしろおいしかったのかもしれません。
 最初は誉めて励ましてばかりいた娘のシーナも、あまりの順応ぶりにしまいには心配になったようです。
「この子、引きこもりなったら絶対部屋から出て来んワ」

 

【しかし家族はたいへん】

 結局、入学式を含めて三日間学校に行けず、ハーヴは翌週の月曜日から登校し始めます。初日は校長室で同じ境遇の3人の子とミニ入学式をしてもらい新生活が始まりました。
 校内巡りや基本的生活指導の受けられなかった三日の遅れはけっこう大きかったようで、最初の数日はぐったりと疲れ、涙目で帰って来たようです。きっと一日じゅう右を見て左を見て、友だちのやることを真似しながら過ごしていたのでしょう。家に帰るとさっそく元の隔離部屋に引きこもり、十分にひとり遊びを楽しんだようです。

 ハーヴはそんなふうで何とか自粛期間をやり過ごしました。しかし大変だったのは他の家族です。特に異動によって新しい学校に行くはずだった父親のエージュは一日も勤務できず、暴れ盛りのイーツもずっと部屋の中、二人のストレスを一手に引き受けるシーナもイライラを持って行く場所がありません。
 買い物にも出られないのに3食つくらなくてはならないし、洗濯にも普通以上の気を遣います。隔離部屋を中心に、一日じゅうアルコール消毒をしてエネルギーを奪われていたようです。

 オミクロン株は重症化しにくく、特に若い世代では無症状のまま終わる人も多いとは言え、感染者の出た家族の大変さはこれまでと大差ないのです。やはり気楽にうつされていいものではありません。

 

【新型コロナの現状と世界の無関心、それでも罹りたくない】

 さて、昨日までの東京都の感染者数は139万人あまり。今週中に140万人を越えます。この140万人という数字には意味があって、東京都の総人口1401万人(2022年10月1日現在)の1割(10%)に当たるのです。つまり東京都では10人に1人以上が感染したことになります。
 驚くべきは今年の1月1日に2・8%ほどでしたから、4か月足らずでそれまでの2年間2・6倍もの感染者が出たことです。恐るべき感染力です。全国では同じ期間に1・3%から5・9%と3・5倍ほどですからさらに激しく、これはやはり6・5波と呼ばれる現在の状況が影響しているのでしょう。

 オミクロン株の飛び抜けた威力というのは世界的な傾向で、かつて感染対策の優等生とされた国々が軒並み日本の感染者数(単位人口あたり)を追い抜いて行きます。その数、ニュージーランドは日本の2・9倍、オーストラリアが3・6倍、ベトナム1・8倍、シンガポール3・5倍、長くK防疫を誇っていた韓国に至っては5・5倍にもなります)。

 人口5100万人ほどの韓国は、感染者の実数でも日本の2倍以上になり、死者の実数も日本に迫ろうとしています。ピークは去ったとはいえ現在も世界の感染者の5人にひとりは韓国人といった状況。それなのに韓国政府は大統領の交代を目前に、感染対策を投げ出したみたいに対策緩和を続けています。 

 ただしこうした無関心あるいは投げやりも世界的な傾向で、新型コロナ初期に爆発的な感染拡大をした欧米の国々も、いまや対策を失念してしまったようにさえ見えます。
 イギリスは感染状況の報告を2月末から土日休みにしてしまい、もともと五月雨報告だったスペインは今月に入って2~3回更新しただけで感染者数・死者数を発表していません。アメリカはもちろん、律義なはずのドイツでさえも感染者41万7000人の翌日いきなり17万5000人と、なかなか信用できる数字を出さなくなっています。

 ハーヴの部分で話しましたが日本でも「マスクをしていれば濃厚接触者ではない」といった便宜的なルール改正を繰り返しながら、なんとか日常生活の回復を模索しています。しかしそう言いながらも、いったん感染者が出れば家族全員が1週間以上身動き取れなくなるわけですからたいへんです。

 まだまだ感染はしたくない。早く、もっとのびのびできる日が来るといいですね。