ゴールデン・ウィーク中に
ハーヴと一緒に池袋の「プラレール博」に行ってきた。
その会場情報(来年のために)と
そこで見た子どもたちについて考えたこと
というお話。
大型連休中の話ですが、孫のハーヴを連れて池袋のサンシャインシティに「プラレール博」を見に行ってきました。正式には「プラレール博 in TOKYO~超デカッ!プラレールトンネル登場!~」というのだそうです。
プラレールというのは青いプラスチックのレールの上を走る鉄道玩具のことで、単三電池一本で自走する三両編成車両は全国のJR・私鉄をモデルとしていて、これまで発売されたものは何百種類あるのか分からないほどの人気商品です。ハーヴも候補の1人ですが、ここから何人の鉄オタが育ったか分かりません。
そのプラレールを一堂に集めて、展示やらイベントやらをやるのが「プラレール博」で、ハーヴは前々からとても気にしていたのです。ただしこの大型連休は母親も父親もさまざまな事情があって連れて行けず、そこでたまたま東京に来ていた私に連れられて行くことになりました。
当日は開場予定の10時の1時間前に着くように家を出て、実際には8時55分に到着しました。整理券をもらって組ごと呼び出されたら入場口に行くようになっていました。
ところが私の受け取った券は第2グループで、受け取って10mも歩かないところで回収され、そのまま待合所のような広いスペースに入れられてしまいました(上の写真)。何のための整理券なのかよく分かりません。
入場までの時間をあちこちで潰す予定が、いきなりの待合所に入れられて少し困りました。これといって時間潰しのためのおもちゃを持ってきていなかったからです。母親のシーナにLINEで助けを求めるとYoutubeの鉄道動画などを紹介してくれましたが、あまりもちそうにありません。
ところがハーヴは、私の心配をよそにたっぷり一時間、プラレールのカタログを見たりジュースを飲んだりしておとなしく過ごしてくれたのです(右写真)。
何ておりこうなんだ!!
そこへ来るまでの電車の中も、そこそこ距離のある歩行の間も、ずっときちんとしてここでも大人の対応!
ハーヴ、偉いぞ! その子を育てたシーナたちも偉いぞ!
と感心したのですが、周りをよく見るとほとんどがそんなおりこうさんばかりなのです。
みんなも偉いんかい?
もちろんギャーギャー騒ぐ子もいますが、それはまず確実に2歳以下の子どもです(体に貼ってある“迷子シール”に年齢が書いてある)。3歳以上はみんなおとなしく待つことができている――。
そこには混むことを予定してさまざまなものを持ってきた親たちの深謀遠慮もあるわけですが、それにしても我慢強い。
都会の子は待つことに慣れているということなのか、田舎の子でも3歳以上はこうなのか、そのあたりはよく分かりませんが少々驚きました。
【会場内部の様子】
第2グループのお尻くらいで待合所に入って待つこと一時間。第1第2グループは同時入場なので私たちでも10時10分くらいには入場ゲートを通過できました。
フロアが三つあって、第1がプラレールトンネル(レールを積み上げてすべてに列車を走らせる)を中心とするジオラマエリア(フォトスポットもいくつかある)。第2フロアがプラレールショーと物販エリア。第3フロアが「プラレール釣り」や「模型づくり」のあるアトラクションエリア。
10時に入場できた第一陣とはいえ私たちは最後の方、どこへ行ってもたぶん列のお尻ですからから選択権がありません。
そこでまず一番から、ということでジオラマ中心の第1フロアに行ったのです。
ところが驚いたことに、どうやら私たちより前の数百人はほとんどがアトラクションのフロアに行ったらしく、ジオラマ会場はガラガラ状態(下の写真)。
たっぷり30分はあちこち見物してショーの始まる第2フロアへ。ここもそこそこ空いてしばらく見た後、物販では帰りに買うものを確認しそのまま第3フロアへ移動しました。
しかし思っていた以上にどこも混んでいて、レール遊びの場所は約1時間待ち。結局どの列にも並ばず、第1フロアに戻ってきました。するとこんなふうになっていたのです。
これでもまだ混乱の序の口。おそらく30分毎くらいに次々とグループを入れたのでしょう。この後さらに混んできて、11時ごろにはプラレールトンネルを通過するのに「1時間待ち」になってしまいました。始まったばかりのころはハーヴが10分間で3回くらいも通過した場所なのに。
私たちは、なんて運がいいんだろう!
さらに30分ほど遊んで、最後に買い物をして帰ろうとしたのですが、今度はこれが大変。下調べの時にはガラガラだった物販エリアもぎゅうぎゅう詰めで、おまけにレールは「量り売り」などという凝ったことをしているので、「計量」で長蛇の列、「会計」で長蛇の列とうんざりするほど待たされました。
買ったものを手に持ったままで会場を回るのが嫌なので後回しにしたのですが、やはり「今できることを後回しにしってはいけない」というのは真実でした。
【考えさせられた子どもたち】
先程、“3歳以上の子はみんなおりこうさんだった”みたいな言い方をしましたが、実はそうでもない子もいました。
ひとつはパイロンとコーンバーでつくった仕切りをくぐって展示物に触ろうとする子たちです。親が何度注意してもすぐにバーをくぐろうとします。注意の言葉が抑制として全く働きません。
さらに大変なのが、そのコーンバー伝いにジオラマ周辺をぐるっと回ろうとする子。たくさんの子どもたちがバーに張り付くようにしているのに、それをいちいち蹴散らし跳ね除けて進んで行くのです。
親は何をしているのだという思いと、こんな子は簡単に親を振り切ってしまうだろうなという思いが、同時に訪れました。いずれにしろこの子たちの親は大変です。
子どもを育てる三つの要素、持って生まれた性格、親の育て方、学校を中心とするその子の社会環境。
その中で「持って生まれたその子の性格」というものがいかに大きいか、シーナやアキュラを育てた私自身の経験や、今、孫のハーヴの育ちを見ながら思うのはそのことです。
育てにくい子を持つ親は他の親より数倍も優れた養育力を持たなくてはなりません。しかしそういう優れた力を持つ人を選んで難しい子が生まれてくるはずもなく、難しい子を持ったからといって急に養育力が高まるわけでもありません。
私は年がら年じゅう教員の多忙を嘆き、なんとかしろと言い続けている人間です。しかしそれでも他にできる人がいない以上、難しい子の成長は教師が本気で支えていくしかない、そう思っている人間でもあります。
親はなんといっても素人ですから。