カイト・カフェ

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「日韓新時代の処し方」~日本と韓国④

 似た顔立ち、似た風景。
 
同じ資本主義の民主主義国で、経済的豊かさも似たようなものだから、
 
同じようにものを見て同じように考えると、どうしても思いがちな隣国
 
しかしこれからは違いを前提に、慎重に対応していかなければならないだろう
 結局はむこうに理解してもらわなくてはいけないこととはいえ、日本も努力しよう
 日韓新時代。互いに普通の国うしの付き合いをする中で、具体策を考えて行こう
というお話

f:id:kite-cafe:20190120153836j:plain(韓国ソウルのポウンサ寺とカンナムエリアの夜景)

 

【韓流ドラマが苦手なわけ】

 韓流ドラマが苦手です。
 韓流が嫌いなわけではありません。少し古いですが「イルマーレ」「猟奇的な彼女」「カンナさん、大成功!」といった韓流映画は好きでよく見ました。しかしテレビドラマの方は時間軸が長いので台詞もたっぷりあり、そうなると青のアップも多く、吹替の声と口の動きのずれがどうしても気になるのです。

 ずれと言えばアメリカのドラマやアニメはもっと苦になってもよさそうなものですが、そこれらは口を開いた、閉じた程度の一致しかなく、人間の声の細やかさと口が悉く合わないからかえっていいのかもしれません。韓流の場合は顔が日本人とほとんど同じですから、どうしても唇の表情を読む感じになってしまい、そこが合わないので違和感が強いのでしょう。感情がきちんと入って来ないのです。
 

【似ているから見逃しやすい】

 相手が肌の黒い人だったりターバンに白衣、髭の濃い人であったり、あるいは金髪碧眼だったりすればかえっていいのです。フィリピン・インドネシア以西あたりでもなんとかなるでしょう。しかし中国・韓国・台湾は厄介です。彼らの多くは私たちとそっくりですので民族の違いを見落としがちなのです。

 特に韓国はGDP世界11位の資本主義国ですしまっとうな選挙で選ばれた民主主義国です。スマートフォン白物家電・ミュージックコンテンツなどは日本を圧倒していますし、人々の服装や街の風景も、よく見ないと違いの分からないことがあります。

 だからついつい私たちと同じ価値観を持ち、私たちと同じようにものを見て考えるーーそんなふうに思いがちです。しかしよく考えてみましょう。彼らは日本人ではないという意味では北欧のどこぞの国、アフリカの一部族、イスラムの人々、ラテンの一民族と同じように、私たちとは何かが決定的に“違う”のです。

 彼の国の最大の特徴は中国――清という北方騎馬民族に支配され、共産主義に洗われて本来の姿を失った二流国――に代わって朱子学を担い、理気論にまで高めた“道徳国”だということです。

 この国に向かって「納得のいかないことはあっても約束は守らなくてはいけない」とか「状況が変わったからと言って約束を反故にしてはいけない」というのは、イスラム教徒に豚肉の効能を説いたりヒンズー教徒に牛丼のおいしさを教えようとするのと同じくらい愚かなことです――否、失礼なことなのです。
 世の中には妥協できることとできないことがあるのです。

 

【道徳と政治は違う】

 基本的に慰安婦問題も徴用工問題も解決のつかない問題です。
 仮に十分な慰謝料を払ったうえ、安倍総理が土下座をして許しを乞うても解決しないでしょう。その場は治まっても日韓関係が緊張するたびに、「真に反省しているならそんなことは言い出さないはずだ」ということになりかねないからです。そして「そんなこと」を言い出さなければならない事態は、国際政治ではしょっちゅう生まれます。

 結局、昨日拾った韓国中央日報の、
 道徳のものさしだけで日本を裁いて日本を「敵」「奴」として扱う限り、我々は日本を克服することはできない。
を韓国の人に理解してもらうしかありません。

 政治は妥協の産物で外交はお互いに引き下がらないと話になりません。
「十全に満足というわけにはいかないだろうが、国と国との関係では納得できないことも納得したことにしないと先に進まない」
と分かってもらう――。
 その仕事は一義的には韓国政府に責任でありますが、日本政府も、韓国政府にそこまでしっかりやるよう注文を付けておく必要があるでしょう。
 日韓慰安婦合意の際、韓国政府は合意を結んだだけで国民を説得する仕事を全くしませんでした。それが今の状況を生み出しています。

 

【日韓新時代の処し方】

 今後、韓国政府がどういう提案をしてくるかわかりませんが、慰安婦問題にしても徴用工問題にしても新たな協定や合意を取り結ぶことはできないでしょう。
 「完全かつ最終的に解決された」と書いても「最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認する」と書いてもダメならこれ以上、修辞を重ねても無意味です。新たな協定・合意に書く言葉がありません。
 したがって一つひとつの問題に具体的に対応していくだけです。

 日韓は新時代に入ったのです。遠慮することはありません。他の国にするように、韓国に対しても粛々と対応していけばいいだけのことです。
 世界に対しても、韓国と同じくらい大きな声で説明していかなくてはなりません。

 

【最後に】

 まとめサイトを通して、私は毎日5紙ほどの韓国の新聞記事を読んでいます。もちろん国内の新聞にも目を通します。
 すると分かってくるのは、やはりお互い少しずつ偏向しているということです。もちろん日本人としては自国の報道を信じたいところですが、それでも「ここまで言ったら言い過ぎかな」と思われる記事も少なくありません。お互いに聞こえてくるのは強い声ばかりです。

 しかし毎年230万人もの日本人が韓国を訪れ、700万人もの韓国人が訪日しているのです。合わせて1000万人近い民間交流が無意味であるはずはありません。
 私はまだまだ捨てたものではないと思いますし、自由で闊達な韓国の若者が、間違っても金王朝の下で苦しむことにならないよう、全力を尽くすべきだと思うのです。