カイト・カフェ

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「イチローがピート・ローズを抜いたこと。東京都知事選」~土日に考えたこと②

イチローピート・ローズを抜いたこと】

 大リーグを永久追放になって過去の栄光以外何も持たないピート・ローズが、イチローの記録を認めないのはある意味当然でしょう。日本には“ちいちぇえヤツだ”という言い方がありますが英語では何というのでしょう。
 ただしリーグが違うのだから比較しようがないというローズの発言には一定の説得力もあって、ローズは大リーグで4256本、イチローはもうすぐ3000本、イチローは日本のプロ野球で1278本、ローズは0本というそれだけのこととも言えます。大リーグの方が日本のプロ野球より上、ということを前提に話すから面倒になるだけで、そうやって並べれば自ずとイチローの偉大さは光ってきます。
 イチロー自身も「日本のプロ野球だけでピート・ローズの記録が破られるのを見てみたい」と発言しているように、4257本は大リーグに行ったから出た数字で、あのまま日本に残っていたら達成できなかった――、少なくとも今年、2016年の段階ではムリな数字なのかもしれません。日本には田中将大ダルビッシュ黒田博樹といった投手がウジャウジャいますし、内野手の上手さだって半端ではありません。内野安打のいくつかは凡打にさせられていた可能性があります。

 ところで私が子どものころは大リーグと日本のプロ野球との間に天と地ほど差があると思われていた時代で、解説者の一部は、
「大リーグではねえ、監督もコーチも自由にやらせてだからあんな偉大な選手たちが生まれてくる。日本の場合は、細かなことを言いすぎてみんな型にはめちゃうからいつまでたってもレベルが上がらないんだ」
とか平気で言っていました。私は当時でさえ、「あんなに体がでかくて腕力のあるアメリカ人選手が、日本流の細かな修正を重ねたらローズもルースもあっという間に越えられちゃうんじゃないか?」と本気で思っていました。今もその考えは変わりません。
 大リーグに移籍した日本人でまだ誰もやったことのないポジションは監督だけだという話を聞いたことがありますが、誰かが行ってビシバシ!日本流を叩きこんでみると面白いのですが。

東京都知事選】

 なんで舛添なんぞが――とボヤいたら日刊スポーツで片山さつきさんが、
「(舛添氏の)選対関係者は『告示日ギリギリに立候補し、選挙戦に入ればメディアは選挙妨害になるので(スキャンダルを)書けない。都知事選もそれで逃げ切った』と言っていた」
といったお話をされていました。なるほどなとも思いました。

 ここのところ都知事選は告示日ギリギリに立候補した人が勝つ仕組みになっているとかで、明日にも去就をはっきりさせなければならない蓮舫さんが出られないのはそのためだといった話もあります。しかしそれが本当だとすると今回の都知事選は各党ギリギリまで手の内を見せないポーカー、もしくはチキンレースみたいになるわけで、面白いと言えば面白い、心配と言えば心配な選挙になります。
 特に自民党は二回続けてダメな候補を推薦しているわけだから今度は失敗できない、人選が難しい。誰が出ても「自民の推薦する人はやっぱ心配」という雰囲気になりますから手を上げる方も上げずらい。将来の総理大臣を見据えている石原伸晃さんや小池百合子さんがあえて火中に栗を拾おうとすることもない気がします。だからと言って誰も出さないのもシャクですし・・・と、そこで櫻井俊事務次官です。

 次官になるときに徹底的に調べられていますから身辺はきれいでしょう。18歳選挙権で初めての都知事選ですから、若い有権者が何十万人もいる、その人たちたちにとって櫻井次官は石原さんや小池さんよりもはるかに知られた人です。蓮舫さんや東国原さんよりも名が売れています。
 さらにこの人が都知事になれば東京都民は息子を人質に取ったようなものですから、都民にとっても都合がいい、よもやバカなことはしないはずです(ただ、だからこそ櫻井次官が引き受けないという可能性もありますが)。

 ・・・などと考えながら、うららかな日曜日の午後を、半分眠りながら過ごしました。
 やはり東京都民でないというのは気楽なものです。