カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「カラヴァッジョ!! アラマッチョ!!」

 私は非常に先見性に優れ次の時代を見越すことができる、と思っていたら実は最も早く乗せられるひとりだった――その話は以前書きましたが(「先見の迷」 - カイト・カフェ)、今回も同じかもしれません。

 今週の土曜日、国立西洋美術館「カラヴァッジョ展」を観に行くつもりでした。本当は6月に入ってからでもいいや(開催は6月12日まで)と思っていたのですが、たまたまテレビを見ていたら銀座画廊美術館で「ねむの木学園のこどもたちとまり子美術展」というのをやっていて、それが5月29日までということなので両方見ることにして慌てて今週末に計画したのです。ところがそのことを決めた一昨日、「ニュースウォッチ9」を見ていたらポンと飛び込んできた「うれしいニュースがあります……」が、国立西洋美術館世界文化遺産登録勧告でした。
 私の弟は富岡製糸場を見学に行こうとした週に同じように世界遺産の勧告があり、ホテルの予約をキャンセルするほどのこともないと出かけてたいへんな目に合っています。「先見の迷」に書いた通り、ひとより数歩先を進んでいればかなり有利なのに、一歩早いだけだと損をすることもあります。  

 心配になってさっそくネットで混み具合を調べたら昨日(5月18日)は「国際博物館の日」記念事業の無料公開日でものすごく混んでいたとのこと。さてその混雑が無料のためか、「世界文化遺産登録勧告」のせいか、はたまたカラヴァッジョ展がそろそろ終わりに近づいたからなのか、これではわかりません。
 ちなみに国立西洋美術館の奥の東京都美術館でやっている「伊藤若冲展」は65歳以上無料日ということもあって、一時5時間待ちの長蛇の列ができたようです。直接の関係はありませんがかなりビビらせる話です。今日明日の様子を調べて、土曜日に行くかどうかを最終的に決めたいと思います。

 ところでカラヴァッジョ展は私にとって何が何でも観に行かなければならないものでもありません。しかし気になっています。それは昨年3月、イタリアに行ったときにカラヴァッジョの名画まで数十mまで近づきながら知識がないばかりに通り過ぎてしまったからです。

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 カラヴァッジョの名作「聖マタイの召命」「聖マタイと天使」「聖マタイの殉教」があるサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会はローマのパンテオンとナヴォーナ広場(両方とも行った)のほぼ中間にあるのです。後から聞けば特に「聖マタイの召命」はカラヴァッジョを語る上で是非とも見ておくべき名画らしいのです。
 ところが私はイタリアに絵と建築を見に行ったはずなのに印象派以前の西洋絵画には全く疎く、行って初めて18世紀以前の絵画の素晴らしさに目覚めたようなものです。ですからその時の素通りもやむを得ないのですが、1年たってカラヴァッジョを知るに至り、ほんとうにもったいないことをした気持ちになりました。

 さて、どんなことも経験しておくに如くはない。行くべきか行かざるべきか。カラヴァッジョ、されど世界遺産登録勧告。
 いかがいたしましょう。

 ちなみにカラヴァッジョについてはこんなニュースもありました。

「本物だったら150億円? カラヴァッジョの名画、屋根裏から発見か」