カイト・カフェ

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「卒業」~そのウンチク。英語では――

 県内のあちこちから卒業式のニュースが届いています。いよいよ別れの時です。
 英語で言えば“graduation”、「卒業する」は“graduate from”です。・・・と、そんなふうに書いて、このブログは今年度で11年目、おそらく過去10年間、毎年この時期には“卒業”をテーマに書いているはずなのに、“graduation”については一度も調べてなかったことに気づきました。当たり前すぎてその気にならなかったのかもしれません。
 しかしどんなことにも一度は当たってみるべきですね。Webの和英辞典を見ると、こんなふうに書いてあります。

・“卒業”〈学科課程を終えること〉
 graduation; completion of a course (of study)

・卒業する
 graduate from 《Yale》
 complete a course leave 《school》

・中学を卒業する
 complete the junior high school course
 leave junior high school

 用法
 graduate は 《主に英国で用いられる》 では大学 (university) を卒業するのに限られる. 《主に米国で用いられる》 では各種学校や高校を卒業するのにもこの語が用いられる. なお, be graduated from … の形は今ではあまり用いられない

 つまり“graduate(卒業)”は高校や大学の課程を終えることで、小中学校を終えるのは“complete(修了)”なのです。英米の場合、基本的に高校までが義務教育ですから、勉強を完全に終了することだけが「卒業」であって、それまでの過程は単なる「修了」だと、そんなふうに考えるのかもしれません。
 日本はそうではありません。小中高そして大学と、校種を変わるごとに「卒業する」、つまりその課程を完全に閉じるのです。その意味の違いについてはもう少し考えてみましょう。

 ところで「卒業式」を英語で言うとどうなるのか。
 分かり切ったことですがそれでも念のために調べてみると、当然“a graduation ceremony”は出てくるものの、他に、“graduation exercises”“the commencement (exercises)”などというものもあります。

“commencement”は見慣れない単語なのでこれも調べると、驚いたことに最初に出てくる意味は「開始,始まり; 初め 〔of〕.」なのです。
 学業の終わりではなく、新しい人生の始まりという考え方なのですね。

 どちらがいいということではありませんが彼我の違いについて、また改めて考えてみましょう。

 卒業生のみなさん。  ご卒業、おめでとうございます。

 * 例年の通り、「アフター・フェア」は新年度の入学式の日までお休みします。何かあって気が向けば、その間に更新するかもしれませんが。