カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「私がウクライナの子どもたちを守る」~難民支援の話 

 ウクライナで大勢の子どもたちが犠牲となり、国を追われている。
 私たちにできることは少ないが、それぞれできる支援をしよう。
 経済制裁の余波でものが一斉に値上がりしても、
 支援のひとつとしてそれにも耐えよう。

という話。f:id:kite-cafe:20220308192327j:plain
(写真:フォトAC)

ウクライナを支援したい】

 ウクライナの難民支援に5万円寄付しました。志願兵の募集に応じられるはずもなく、何の発信力もありませんからできることはその程度です。あと考えられるのは、ロシアに対する経済封鎖のブーメラン効果で日本国内の石油製品や穀物、その他多くの商品が値上がりすることについて、不満を言わず、甘受することです。ガソリン価格が10円上がり、小麦製品が20円高くなるごとに、それをウクライナへの募金と考えましょう。

 彼の国では老若男女が何の軍事的支援もなく、ひとりで軍事大国に立ち向かっているのです。彼らが守っているのはウクライナだけではありません。ロシアが国際秩序に穴をあければ、同じようになだれ込んでくる国はいくらでもあるのです。プーチンの野望は何が何でも挫かなくてはなりません。

【神は何をしているのか――イヴァン・カラマーゾフの嘆き】

 その“悪の帝国”の文豪の話で申し訳ないのですが、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」にとても印象的な場面がありました。
 それは主人公のひとりのイヴァン・カラマーゾフが聖職者で弟のアリョーシャを呼び出し、果たしてこの世に神様は存在するのかと激しく詰め寄る場面です。イヴァンはこんなふうに言うのです。

 俺たちはいい。大人なんて多かれ少なかれ罪を犯しているものだ。だから裁きを受ける日が来てもそれは仕方ない。だが子どもたちはどうだ? 世の中には快感をもって子どもを虐待して止まない親がいる、地主の中には農奴の8歳の子どもが猟犬にケガをさせたというだけの理由で、他の犬たちをけしかけて食い殺させたという話もある。戦争では母親から取り上げた赤ん坊を兵士が空中に投げ上げて、それを銃剣で受け止めたりする。別の母親の腕の中の赤ん坊を見て、ある兵士は奇抜なことを考えつく。その子をあやし笑わせ、喜んだ赤ん坊が目の前20センチのところにあるピストルに手を伸ばした瞬間に、ズドンとぶちかまして頭を粉々にしてしまうのだ。
 いったいこの子たちにどんな罪があるというのだ? 何の咎でこの子たちはこんな目に合わなくてはならないのだ? アリョーシャ、神が存在するなら、なぜこんな非道がまかり通るのか?


 長い長い物語の一部分で、その部分自体もそうとうに長いのをかなり端折ったものですから真意が伝わっていないかもしれませんが、私の解釈したところはそうです。私は戦争だとか神だとか、人間だとかを考えるとき、よくこの話を思い出すのです。

【犠牲にされる子どもたち】

 今回のウクライナの戦争は、現地から大量の映像が届くところに特徴があります。湾岸戦争(1990年)のころにも「戦争が実況中継される」と言われましたが、今や素人の動画が次々とアップされ、プロの映像もほとんどがリアルタイムで配信されます。

 ウクライナ南東部のマリウポリの病院に、血まみれの毛布に包まれた一歳半の男の子が男性に抱かれて運ばれてきます。その後ろを走るのは母親です。しかしすでに息はなく、長い蘇生処置ののち死亡が宣告されます。母親は泣き崩れ、医療関係者も茫然と部屋の隅にしゃがみ込みます。医者は怒ってカメラに向かい、「この光景をプーチンに見せろ」と叫びます。www.sankei.com ポーランドへ向かう車の中では10歳くらいの男の子が涙を拭きながらこう言います。
「パパはキエフに残っています。“僕たちの英雄・軍隊を助ける”って。ウクライナ軍を助けて、もしかしたら戦うことになるかもしれない…」news.tbs.co.jp 別の10歳の男の子は、他人の善意だけを頼りにたった一人でポーランドに送り出され、さらに別の5歳くらいの男の子は、大人とはぐれたのかモコモコの防寒着姿でビービー泣きながら、独りぼっちで歩いています。泣きながらも両手にぶら下げた袋を離さない姿は、日本の正月特番「はじめてのおつかい」にそっくりですが背景はまるで違っています。

 この戦争には大人の事情と歴史があります。しかし子どもには何の責任もない。劣悪な環境の中で今日うまれた赤ん坊にも罪はない。だとしたら誰かが、この子たちを救わなくてはならないのです。
 最初に申し上げた通り、私たちにできることは少ないですが、できることはできる範囲でやり続けたいものです。

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