カイト・カフェ

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「日本語の番組に日本語字幕をつけて観る」~新しいテレビと名優の見つけ方の話②  

 大型テレビに字幕を表示させると、画面が縮小され、
 その枠外に文字が表示されるようになる。
 近すぎる場所での視聴に都合がいいばかりでなく、
 日本語放送に日本語字幕は、意外な発見につながるのだ。
という話。
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【日本語字幕が適切に表示できる】

 夜は週に六日ほど実家で過ごしているのですが、94歳の母は近頃さすがに耳が遠くなり、テレビの音量も次第に大きくなりがち。ボリュームレベル50とかになると一緒にいる私もかないません。そこでここ1年あまり、音量を抑える代わりに日本語字幕を映し出す設定にしています。
 ただこの日本語字幕、上の写真の通り、オリジナルの画面に字幕が出るとさらにその上に設定字幕が乗るので、画面の半分近くが覆われてしまい。見にくいことこの上ありません。NHKは時間もお金もたっぷりあるのでこの程度で済みますが、番組によっては映像が見られたものではないといったときもあります。

 ところが新しい大型テレビは、字幕を出すときに画面を縮小して、画像の上または下に字幕を出すことができるのです(下図)。もちろん従来のように画像に重ねて表示することもできます。その仕組みが、テレビの前で寝っ転がって半分のけぞりながら画面を見上げる私にはちょうどいいのです。画面全体も自然と目に入る大きさになっています。

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【字幕を読むことでの新発見】

 ところで、母をダシにしましたが、実は私たち夫婦も耳が遠くなりつつあるらしく、ときどきセリフを聞き逃してしまいます。そのため自宅でも字幕をつけっぱなしにすることが多くなっているのですが、そこで新発見があったのです。

 元々は分かりずらいところを目で確認するための字幕でしたが、見慣れてくると常時、目の隅で文字を追い続ける感じになってきます。ところがたっぷり間をとってしゃべる俳優さんの言葉よりも、目で読む方が早いので次第に逆転して、文字を音声で確認するような感じになって、そこで驚いたのが、才能ある俳優さんたちのセリフの底力です。
 字幕を読んで私が頭の中で思い浮かべるセリフと、俳優が後から当ててくるセリフの感じが、まったく違っているときがある――。
「ああ、そのセリフ、そういうふうに言うんだ」
と感心する瞬間です。

【感嘆詞が簡単ではない】

 その点で最近一番驚かされることの多かったのが清原果耶さんです。特に感嘆詞の扱いが全然違う。「え」とか「ああ」とかいった短い言葉の中に、私には思いつかない理解とか状況判断とかがあるのでしょうね。やはり評判が高いだけのことはあります。もちろん同じ感嘆詞が私の感じ方と一致する俳優さんも大勢いますが、こうなると本当に凡庸な感じがします。

 私自身が男ということもあって、男性の俳優との一致・不一致はとても気になります。総じて、ベテランで息の長い俳優さんは私と一致せず、映画・テレビドラマを中心にやってきた人よりも舞台中心、劇団出身の人の方が私と合いません。つまりそれだけすごいということです。

 日本人のドラマを日本語字幕付きで読むとか、二か国語放送の外国ドラマを原語・日本語字幕で見るとか、あるいは歌番組を消音の状態で延々と眺めるとか、テレビの見方もいろいろやってみると面白いものです。
(生中継のもの、例えばニュース番組などは字幕をその場でつけていくため表示がずいぶん遅れます。こういったものは、文字を追わないようにしないとうまく行きません)