カイト・カフェ

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「本当に困った!」 〜コンピュータ・スキルの問題①

 最近、というよりしばらく前から、自分がどれ程度コンピュータを理解しているかわからなくなりました。
 もちろんWebサイトを運営して毎日ブログを書いているのですから「コンピュータについては全く分かりません」というのは過剰な謙遜です。しかし「何でもいいから聞いてください」とはとても言えませんから「よく知っている」わけでもありません。
 10点満点で0点や1点ではないと思うのですが、10点でも9点でもない。たぶん8点でも7点でもないと思うのですが、「じゃあ6点ぐらいならOK?」と聞かれれば震えて「いやそんなにはありません」となって5点?4点?と落として行って「2点?」とか言われるとさすがに今度は自尊心が傷つきます。

 ただし「コンピュータを知っている」かどうかは、基準ないし枠をどう規定するのかによって違ってくるのであって、例えばハードのサポートセンターに電話をかけて「『フォトショップ』のこれこれの機能について教えてください」と訊ねても答えられない場合は多いでしょうし、Adobeの窓口で「ウチの機械のレジスタが・・・」とか言ってもすぐに答えてはくれない――つまり「基準ないしは枠」の取り方によって、理解しているともいないとも、さまざまに言えるというだけのことなのかもしれません。
 けれど私は、その「基準ないしは枠」ですらわからないのです。

 例えば、私が一番多くの時間を割いてあれこれ勉強したのはエクセルだと思うのですが、そのエクセルに何ができるのか、それ自体がわかりません。これについては初めて触ったころに印象深い思い出があります。
 私のエクセルのお師匠様である若い女性の大学院生と、コンピュータを前に話していたときです。私のつくった表を見て、
「あら、こんな便利な機能があったんだ」
と彼女が感嘆します。何かというと、「ウィンドウ枠の固定」です。これがないと大きなエクセル表の場合、データを辿っていくと「見出し」の部分が画面からはみ出してしまい、その数値が何何を表しているのかわからなくなってしまうのです。
「ウィンドウ枠の固定」を知っていた私は、けれど「鼻が高い」というよりはびっくりしてしまいました。何年もエクセルをやってきたはずの彼女が、そんなことも知らなかったからです。

 その後、しかし逆のことが何年たっても経験させられます。例えば人から借りたエクセル表にどうやっても「0(ゼロ)」が表示されない――もちろん、「0」であることが基本であるような表でいちいち「0」が出ているようでは鬱陶しくてかないません。そんな場合、「0」は空欄でいいのですがそこには技があります(「Exel 2010」以降はファイル→オプション→詳細設定で下の方に、「ゼロ値のセルにゼロを表示する」のチェックを外す)。
 あるいは別の時。事情があってセルに「11−2」と数式を書いたら「11月2日」と表示されてびっくりします。すると隣りのど素人(と思っていた人)が「あ、それはね」とか言って教えてくれたります。

 おそらく「Exsel」という太平洋の、東京湾をちまちまと調べていたら三河湾で仕事をしていた人が声をかけてくれた、そんな感じなのかもしれません。東京湾を知っているくらいで太平洋を極めたようなふりをしてはいけません。特にコンピュータに関しては謙虚でなくてはといつも思っています。

 と、埒もない話ですが、実はコンピュータのことで、ほんとうに困ってしまい、ここ一週間ほどはすったもんだしていたのです。

(この稿、続く)