「やっぱり中国はダメかもしれないと思った話」~新型コロナウイルス問題を通して 

 新型コロナウイルス感染者の数字が安定しない。まるで信用できない。
 一方、日本と違って、天津では発症者の感染ルートが、
 ほんとうの道筋としてたどれるらしい。
 そう考えていくと、やはり中国はダメかも知れない。

という話。

f:id:kite-cafe:20200220142030j:plain(「北京天安門フォトACより)

【統計がどうでもいい国】

 昨日のNHK web Newsにこんな記事がありました。
 中国 共産党系メディアが当局の初動対応を批判
 新型コロナウイルスの問題をめぐり中国共産党系のメディアは中国国内で先月11日から20日の間にすでに5000人以上の患者が発症していたとする政府系機関の分析を伝えました。

(中略)
 論文では去年12月から今月11日までに感染が確認された4万4672人の患者の発症した日を5つの段階に分けて分析しています。

 その結果、去年12月31日までが104人、先月1日から10日までが653人となったほか、先月11日から20日には5417人と発症した人が急増したということです。
 その後、人数が爆発的に増加し先月21日から31日に2万6468人、今月1日から11日に1万2030人が発症したとしています。

(20202.02.19 NHK web news)

 私の記録では――と言っても1月9日以前の数値はないのですが、10日までの感染者は41人(上の記事では104人)。この41という数字が16日まで続いて、11日から20日までの新たな感染者(発症者)は250人(記事では5417人)、31日は公式発表で初めて1万人を越えた日で、21日から31日までの新たな感染者は1万1499人(記事では2万6468人)、2月1日から2月11日は3万2863人(記事では1万2030人)。
 ただし2月11日時点の4万4672人は私の記録(4万4653人)と大差ありません。

 これはどういうことかというと、これまでの公式発表から私のつくってきたグラフ(下図)では一回目のピークが2月4日くらいにあるのに対して、実際は1月21日から31日までのいずれかの日がピークであって、2月に入ってからはむしろおちついている(あるいは減少傾向にある)ということです。

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 前々から噂されていましたが、中国では1月中旬にはすでに感染爆発を起こしており、武漢を封鎖するなら春節前のこの時期にやっておくべきでした。少なくとも20日までの10日間で発症者が5417人と聞けば、いかに大切な春節とはいえ武漢に向かう人は減少していたでしょう。なのに公式発表はわずか250人。中国の全人口から考えたら芥子粒ほどにもなりません。
 公表された死者もたった3人でした。

 さらに、上のグラフで分かる通り、2月の13日には唐突に計算の基準を変えてたった一日で14840人も増やしてみたり、そうかと思うとここのところ1700人~2000人程度で推移していた毎日の新規感染者数が、昨日の発表ではたったの391人です。また基準を変えたのかもしれません。
 こんなでたらめな数字では正確な状況把握などできるはずもなく、対応もいい加減にならざるを得ません。


【中国は国民の顔を全部知っている】

 NHKのweb Newsにはこんな記事もありました。
 百貨店から感染拡大か 客ら2万人割り出し隔離 中国 天津

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国の天津では、市内にある大規模な百貨店から感染が広がったとして、利用客らおよそ2万人を自宅に隔離する徹底した対策が行われています。

 中国メディアによりますと、天津の宝※テイ区にある百貨店では、先月31日に従業員の1人に新型コロナウイルスの感染が確認されたあと、利用客と従業員に相次いで感染が確認され、今月12日までに感染者が35人に増えました。

 これを受けて地元当局は百貨店の従業員およそ200人全員を隔離したほか、地域の住民に百貨店を利用していた場合は報告するよう呼びかけ、さらに、ビッグデータを使いながら、担当者が地域の住宅を1軒ずつ回って、最終的におよそ2万人の利用客らを割り出したということです。
※テイは土偏に「抵」のつくり

(以下略)
(20202.02.18 NHK web news

 ビッグデータといいますが、要するに顔認証システムでしょう。

 中国では国民の多くが利便性と引き換えに、顔写真を含む個人情報を企業に売り渡してしまっています。企業はそれを政府に渡していないといいますが、政府へ情報提供は法律にも定められていますから行っていないわけがありません。それを使えば、デパートを利用した2万名など簡単に割り出せるのでしょう。
 感染経路の分からない患者が出たと右往佐往している日本に比べたら、便利なものです。しかしおそらく、それは新型コロナウイルスより恐ろしい。

【中国はやっぱりだめかもしれない】

 私は大学で中国近代史を専攻したこともあって、この国が大好きなのです。若いころは史記とか三国志とかを夢中になって読みました。
 しかしこうしてみるとやはり中国はダメなのかもしれない。少なくとも共産党中国はダメだと思わざるを得ないのです。

 これが自由主義国だったら、まずメディアが黙っていません。
 そもそも顔認証システムのデータが政府の手に入るかもしれないと思っただけでも大騒ぎです。法律で政府への提供が定められるなんてもってのほか。

 また、一朝、深刻な伝染病の可能性があると知ったら社会部記者が大挙して現地に向かい、朝から晩まで番組を流し続けます。
 朝のニュースから午前中の情報番組、昼から午後へのリレー式の情報番組、9時以降の各局ニュース――、毎日20時間近くどこかで扱っているわけですから嘘が通りにくい。
 ネット住民はさらに輪をかけてあることないことを発信し、針ほどのものが棒ほどの大きさになりますから簡単には収まりません。

 一方中国では12月末に武漢で広がる肺炎について、仲間内で不審を語った医師が逮捕されて実質的には殺されてしまいました。感染者が増え続けている最中にも「人からの人への感染はないもよう」との情報が垂れ流される。

 SNS上に書かれた政府批判は3万人と言われる政府の削除人によって次々と消され、名のある批判者は存在自体が消されてしまっている――。
 そんな強圧的な政府がもつはずがないと言われてからもう20~30年にもなろうとしています。しかし現在の体制はビクともしそうにありません。
 中国の恐ろしさはそこにあります。

 こんな時期ですから正面から扱う余裕もないかと思いますが、新型コロナの事例を通して、子どもたちに自由のありがたさや重要性、そして失われるとなかなか回復できない現実を教えていきたいものです。

 

 《参考:追記》
感染者数、診断基準で激変 訂正で混乱に拍車 新型肺炎の実態不透明に・中国湖北省
【北京時事】中国湖北省武漢市から感染が拡大した新型コロナウイルスによる肺炎をめぐり、状況が最も厳しい同省の感染者数が、診断基準の度重なる改定に伴い大きく変動している。
(後略)

(2020.02.22 JIJI.COM)