カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「やはり、おかしい」~専門家の言うマスク不要論が理解できないわけ

 4月・5月の新型インフルエンザ・パニックの際には日本中に広がっていたマスク姿、本格的な流行期に入った今、町中で着けている人は極端に少なくなっています。  
 マスクは罹った人がつけるのは効果があるが、普通の人の感染予防という点ではまったく意味がないという宣伝が行き届いたせいかもしれません。

 例えば5月21日付けの産経新聞は次のように書いています。
 外岡さんは「欧米では、自分への感染がマスクで防げるかどうかについてはっきりとした効果があるとされておらず、マスクは病原体を持っている人が第三者にうつさないために使用されている」と説明。欧米では、手にウイルスがつくことが考えられるため手洗いをしたり、人込みに入らないようにしたりする教育が徹底的に行われている。

 つまり、欧米でマスクをしている人は「自分が病気で第三者にうつさないためにしているか、顔を見られたくないためにしている」(外岡さん)という。

 予防アイテムとして、マスクの効果はどうなのか。新潟大学大学院の鈴木宏教授(公衆衛生)は「第一義的には(新型インフルに) かかった人が他の人にうつさないことに効果があり、自分に感染するのを完全に防ぐものではない」と指摘。さらに、「マスクを外すこともあり、鼻や口を完全 に覆っていないなど正しい付け方をしていない人もいる。それより、せきをしている人が外に出ないようにすることが効果があるのではないか」と分析する。

 多くの人がマスクをつけて生活している日本。鈴木教授は「街中にウイルスがウロウロしているわけでもなく、みんなが(新型インフルエンザ)にかかるわけでもないのにマスクをしている人が多いのは過剰防衛に映る」。

 しつこいようですが、というより実際にしつこいのですが、私は「欧米がやっていることは正しい」という言い方には基本的に拒否反応を起こします。欧米がやらないことなら、むしろやっておいた方がいいと、反射的に思うのです。

 マスクを外すこともあり、鼻や口を完全 に覆っていないなど正しい付け方をしていない人もいる。
のはインフルエンザに罹っている人だって同じです。これが理由なら、罹っている人のマスクも無意味です。

 街中にウイルスがウロウロしているわけでもなく
というのは分かりますが、街の一部分はどうでしょう。

 咳1回で約10万個、くしゃみ1回で約200万個のウイルスを含んだ飛沫物が、くしゃみでは約3m、咳では約2m先まで放出される
という事実がある以上、
 満員電車の中や人ごみ、狭い職場や学校の教室内はウイルスがウロウロしているのと同じです。

 単体のウイルスはマスクの不織紙を通過するかもしれませんが、ウイルスを含んだ飛沫物の多くはマスクによって遮断されるはずです(遮断されないとしたら、罹患者のマスクも意味がありません)。この状況でマスクをすることに意味はないのでしょうか?  

 また、マスクはウイルスが付着した手で口や鼻を触る機会を減らしたり、吸気に湿気を与え、吸気の温度を上昇させる効果 などもあります。

 欧米では、手にウイルスがつくことが考えられるため手洗いをしたり、人込みに入らないようにしたりする教育が徹底的に行われている
 徹底的に行われているにもかかわらず、オバマ大統領が非常事態宣言を出さなければならないほど蔓延してしまったのはなぜなのでしょう?
 教育は徹底的にやっているが、国民がバカなので定着しないということなのでしょうか。
 マスメディア、特に産経新聞はそれに答える必要があると思います。