オラショ

 隠れキリシタンは今もいるというと、意外に思う人が多いのですが、現在も長崎県を中心に推定で3万人も存在します。

 明治維新後に禁教が解かれた際、隠れキリシタンの多くはもとのカトリックに復帰したのですが、復帰しきれない人も残りました。彼らの信仰は長い禁教時代に神道や仏教と結びつき、教義などがずれて極端に日本化していました。そこでカトリックには戻れないと感じた人々がいたのです。

 学術的には「カクレキリシタン」とカタカナで書き、隠れることが重要な要素ですので、現在も実数は分かりません。

 そのカクレキリシタンたちが口伝してきた祈祷文を「オラショ」と言い、その中には「歌オラショ」と呼ばれる聖歌が含まれています。

 オラショは紙に書き取ってはならない上に1年間うちのわずかな期間にしか伝承されませんでしたから、昔は夜中に外に見張りを立て、教える者と教わる者とが布団をかぶって習ったといいます。200年の間(ある意味では現在までの350年もの間)、この人たちは信仰とともに歌を手放さなかったのです。

 ゴスペルはアメリカの黒人奴隷が教会でのみ歌うことを許されたところから発達した、という話を聞いたことがあります。

 日本のカクレキリシタンも同じように、歌を中心に団結を守り続けました。音楽にはそうした素晴らしい力があるのです。

 さて今日は音楽会。

 各クラスの団結の様子を見に行きましょう。