カイト・カフェ

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「言葉そのものに、単純に反応してはいけない」~保護者と対立したとき考えたいこと

 以前「となりのクレーマー」という本についてご紹介しましたが、学校に対するクレーマーに関する本、小野田 正利 著 「悲鳴をあげる学校―親の“イチャモン”から“結びあい”へ」(旬報社 2006)も、かなり面白かったので紹介しておきます。

 この本は「第1章 悲鳴をあげる学校 ふえる学校へのイチャモン」で学校への要求が無理難題となっている現状を紹介し、「第2章 なぜふえる学校へのイチャモン」で、その原因考える。そして「第3章 イチャモンはどうしたら打開できるか」で打開策を探り、「第4章 子ども“で”つながろう“イチャモン”の裏返しは“連携”」で更なる発展を考えるという構成をとっています。

 私たちにはかなり慣れ親しんだ状況を扱っているので読みやすいのですが、その中の一節に、私は特に深く考えさせられました。それは次のようなものです。
「小野田先生。ほんまに私、小学校の教師を二〇年やってるけど、困ったわ−。ある保護者の人は、『宿題が多すぎるから減らせ』と言ってくる。ある保護者の人は、『少なすぎるから、もつと出せ』と言ってくる。どうせえちゅうんでしょう」
 と聞かれることがよくあります。私は、笑いながらこう答えます。
「どっちも本当です。要は、宿題が多い少ないということが本質的な問題ではなくて、子どもの教育のことで悩んでいる保護者がいて、そのことをきっかけとして、それであんたと話がしたいんだ。こういうメッセージとして、それは解釈しないといけないんだ」(P.151)

 一度深く考えておくべきことでしょう。