映画「マルサの女」の中で、国税局職員が「クレーマーに対しては必ず複数で対応するように」という指導を受けて、ヤクザ・グループが訪れたとき100人以上で取り囲むという場面がありました。
「となりのクレーマー」という、以前ご紹介した本の中にも同様の記述があります。
もちろん保護者はクレーマーではありませんが、この学校にきて学んだことのひとつは、深刻な問題については最初から複数で対応することの大切さです。かつてほどではありませんが、保護者にとって学校の敷居は依然高いものです。それを乗り越えて来ようと言うのですから、ある程度の覚悟を決めているはずで、それに対して安易に対応するのは、それはそれで失礼と言うものです。
学校を代表する者として教頭または教務主任、児童支援の立場から特別支援コーディネータ、児童全体を知る立場から養護教諭、このあたりがワンセットです。ただしこれに担任を加えると4人ですから、保護者がひとりで来る場合は取り囲むようで具合が悪いかもしれません。相手が気圧されて、言いたいことが言えないようではかえっていけません。
そのほか、学年主任やTTなどの支援教師、場合によっては問題を抱えている児童の兄弟の担任など、保護者が頼りにできそうな教員はすべて候補にあげられます。
とにかく学校が問題を軽く扱っていないということを示し実行するのが大切ですか ら、迅速であること、できるだけ多くが関わって問題にあたることが大切です。
この3年間、それがうまくいった場合はほとんど大きな問題にならず終わっています。 来年度も制度として続けて行きたいことです。