明日は2月29日、うるう年のうるう日です。
どうして4年にいっぺん2月が29日間になるのか、
この日生まれた有名人にはどんな人がいるのか、
その人たちは年齢をどう数えるのか、
トリビア!
という話。
(「2020年の2月」フォトACより)
【うるう年・うるう日】
明日はうるう日、4年にいっぺんの2月29日です。
なぜそういうことになるのかというと、地球が太陽の周囲を一周する日数が365日ではなく365.2422日だからです。端数である0.2422日を4回繰り返すと0.9688日でほぼ1日になるため、4年に1回、1年を366日とするわけです。
ただし正確には“0.9688日”なのに“1日”増やしてしまうため、いずれ誤差がたまって日が余ってしまいます。そこで100年に1回ずつ、うるう年を端折るようにします。しかしうまくいかないもので、400年もたつとまた日が余ってしまい、仕方ないので400年目はうるう年を端折らないことにします。
これは現在ルール化されていて、次のように説明されます。
「西暦の年が100で割りきれ、かつ400では割りきれない年はうるう日を入れない」
具体的に言えば、西暦2100年、2200年、2300年にはうるう年がなく、2400年にはある、ということです。もう過ぎてしまいましたが、近いところでは西暦2000年は100でも400でも割り切れるため、うるう年は普通にあったのです。
しかしそうした暦のずれは、なぜ2月に修正されるのでしょう?
それは古代ローマ暦で、現在、英語でMarchと表記される月が1年の最初の月だったからです。したがってFebruaryが最終月。だからここで帳尻合わせをするのです。
この部分は私の最も得意なトリビアなのですが、「昔は3月が1月だった」ではしっくりこないので、英語嫌いの私もしかたなく英語で説明しています。
【うるう日が誕生日】
うるう日が誕生日の有名人には次のような人がいます。
ジョアキーノ・ロッシーニ、作曲家(1792年-1868年)
ルイス・スウィフト、天文学者(1820年-1913年)
マキノ雅弘、映画監督(1908年-1993年)
バルテュス、画家 (1908年-2001年)
ダイナ・ショア、歌手(1916年-1994年)
兼高かおる、ジャーナリスト(1928年-2019年)
原田芳雄、俳優(1940年-2011年)
赤川次郎、推理作家(1948年-)
峰竜太、タレント、俳優(1952年-)
飯島直子、女優(1968年-)
吉岡聖恵、ミュージシャン(いきものがかり)(1984年-)
「いきものがかり」の吉岡さんはよく「私は誕生日を8回しかやってないからまだ8歳だァ(今年は9歳)」とか言っていましたが、この人たちの年齢はどうなっているのでしょう?
実は日本の法律では、人は生まれた時間に関わらず、前日の午後12時に年齢をひとつ重ねることになっているため、うるう年であろうとなかろうと、2月29日生まれの人は2月28日の午後12時をもってひとつ年を取ってしまうのです。したがって吉岡さんも、順調に年を重ねて、今夜12時をもって36歳になられます。
また、さまざまな資格や手続きの中で、例えば誕生日を基準として有効期間や更新期間が定められている場合は2月28日を仮の誕生日として考えることになっています。これを“みなし誕生日”と言います。
法律上はそういうことになっていますが、“みなし誕生日”は一般用語であって、「私は3月1日をみなし誕生日として誕生会を開いています」という言い方も正しいといえます。
いろいろ面倒くさいようですが、本当の誕生日が4年に1回しか来ないというのも、ちょっとカッコウいいような気もします。
【うるう年・うるう日の行事】
4年に1回の近代オリンピック(夏季)、アメリカ大統領選挙はうるう年に行われますが、さしたる意味はないようです。ただ、「今年はうるう年だ」と思った瞬間にオリンピックと大統領選挙が思い浮かぶのはけっこう便利なので、覚えておくといいでしょう。
うるう日は特別な1日なので、何か素晴らしい行事でもあるのではないかと思って調べたのですが、これが意外とない。
ニンニクの日・・・「にん(2)に(2)く(9)」の語呂合せ。
富士急の日・・・「ふ(2)じ(2)きゅう(9)」の語呂合せ。富士急行が2003年に制定。
たったこれだけです。4年にいっぺんの記念日というのも悪くはありませんが――。
「かつてイギリスでは、4年間のうちでこの日にだけ、女性から男性へのプロポーズが伝統的に公認され、男性はそれを断ることはできないとされていた」
という記事がありました。
何かさまざまな悲喜劇が思い浮かびそうです。
(モテ男は大変だな)
もっともその時代に私が独身で生きていたとしても、平穏な一日が送れたのはまず間違いありません。